2023.10.4

僕の考えた“さいきょうのポルシェ911”。1億5000万円超えの公道走行不可モデル登場……77台限定生産

 アメリカ・カリフォルニアのラグナセカで開催されたポルシェの“レンシュポルト・リユニオン7”で、GT3マシンをベースとしたサーキット専用モデル911 GT3 R レンシュポルトがお披露目された。

 このイベントはポルシェが自らのレースでの歴史を祝うモノであり、そこで発表された911 GT3 R レンシュポルトが公道走行不可なのもそのためだ。

 とはいえ、GT3カテゴリーのレース用としてもこの特別モデルは使えない。911 GT3 R レンシュポルトという唯一無二のカテゴリーに属し、このモデルを一言で表すなら「ワイルド」だ。

 まず、補強ステーを必要とするほどのダウンフォースを生み出す巨大なリヤウイングの下には、自然吸気4.2リッター水平対向6気筒エンジンが搭載されている。

 このエンジンはGT3マシン“911 GT3 R”から流用されたモノだが、GT3規格に合わせる必要がないため、最高出力は456kW(620PS)。エンジンはE25燃料用にチューニングが施され、特注のピストンとカムシャフトを搭載している。圧縮は高めに設定され、9400rpmまで回したときのサウンドは想像に難くないだろう。

 公道でもレースでも使用できない一方で、レギュレーションに縛られない911として、ポルシェはこの911 GT3 R レンシュポルトで軽量化を極めた。通常ならパネルやカバーで隠されているメカニカルな部分も、このモデルではそのまま見ることができる。

 エキゾーストシステムは直管仕様にすることも、騒音規制のあるサーキットで使用するためにマフラーや触媒コンバーターを装着することも可能だ。

 シャシーとサスペンションはGT3マシンのモノをそのまま流用しているが、ポルシェは工場出荷時から独自のセットアップを911 GT3 R レンシュポルトに施している。

 なお、911 GT3 R レンシュポルトは後輪駆動で、モディファイしたGT3マシン用ギヤボックスを搭載。足元にはBBS製の18インチホイールを履き、専用設計のミシュランタイヤが装着されている。

 また、911 GT3 R レンシュポルトで目を引くのが、そのマッシブなボディ。ポルシェによるとGT3マシンと共通しているのはボンネットとルーフだけだという。

 フロントフェイスはGT3マシンから着想を得ているものの、エアベントやパネル、フィンの形状を変更することで、さらにラジカルなデザインとなっている。

 サイドに回るとミラーが搭載されていないのが分かる。その代わりに、911 GT3 R レンシュポルトにはカメラが搭載され、ドライバーはコックピット内のディスプレイで後方を確認することができる。

 巨大なリヤウイングについては冒頭でも触れた通りだが、ポルシェの935/77を彷彿とさせるデザインだと感じたポルシェファンも多いだろう。実際、ポルシェは911 GT3 R レンシュポルトを935の後継モデルとして捉えているのだ。

 ポルシェはまた、この911 GT3 R レンシュポルトを妥協のないパフォーマンスマシンとしてだけでなく、コレクターズアイテムとしても捉えており、購入者が選択できるカラーオプションが7種類用意され、エクステリアデザインも3種類ある。

「ポルシェは、その豊かな歴史によって形作られてきた」

 そう語るのは911 GT3 R レンシュポルトでスタイル・ポルシェ・プロジェクトマネージャーを務めたトルステン・クラインだ。

「特にレースにおいては顕著だ。それが我々にインスピレーションを与えてくれたのは確かだ。しかし、決してコピーや明らかなレトロカラーリングを作りたかった訳ではない。我々が選んだ3つのオプションは新たな解釈だ」

 ポルシェは911 GT3 R レンシュポルトの購入を希望する人は早めの行動が先決だ。なにせ、このモデルは77台の限定生産。価格は104万6000ドル(約1億5675万円)からとなっている。

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出典: https://jp.motorsport.com/automotive/news/porsche-911-gt3-r-rennsport-debuts-611-hp-1m-price-tag/10528014/
この記事を書いた人 Motorsport.com日本版

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