
初開催のMotoGPインドGPが開幕し、ブッダ・インターナショナル・サーキットでの走行が始まった。全くの未経験となるこのコースに対し、ライダーからはターン1の難しさを指摘する声が多く聞こえてきている。
インドGPの開催に向けては、ライダー側から安全性についての懸念の声が挙がっていたが、現地でのコースチェックを経て無事に承認され、走行が始まった。
そして走行後のライダーからは、特にターン1が難しい部分だというリアクションが寄せられている。実際、FP1とプラクティスを通じて、ターン1でグラベルへ突入してしまうライダーが数多く見られ、クラッシュも発生している。
FP1でトップタイムを記録したマルコ・ベッツェッキ(VR46)は、コースについて次のように語った。
「ターン1はバイクを止めるのが凄く難しいよ」とベッツェッキは言う。
「すぐにターン2が続いているんだけど、毎回ワイドに走ることになってしまう。頭にくるほど難しいんだ」
「今日は完璧な走りを見つけるために、ものすごくたくさん失敗してしまった。簡単じゃないね」
「あそこ(ターン1)が最もミスを犯しやすい場所だと思う。ただライディングするという意味では最も難しい場所ではない。セクター3がもっと難しいんだ」
「正確であることが必要なんだ。たくさんのコーナーが連続しているから、最初のコーナーでミスをしてしまうと、そのセクター全部が台無しになってしまう」
またジョアン・ミル(レプソル・ホンダ)も、Fワードを使いながらターン1の難しさを指摘している。
「F***だ。ターン1で5周の間に2回も飛び出してしまった。難しいコーナーだよ」
「あそこはバイクを止めるのが難しいんだ。みんなも何度もワイドに膨らんでしまっていたと思う」
「それからウォールがかなり近いよね。何度かブレーキングでミスをしたけど、ウォールにかなり接近していることに気がついた」
「このコースが安全性の面でギリギリなことは、僕らも分かっている。でも現時点では、ドライコンディションなら大丈夫だ。ウエットではまた違うだろうけどね」
アレイシ・エスパルガロ(アプリリア)は何度もターン1を飛び出していたライダーのひとりだ。彼はこのコーナーのグリップが「氷のよう」と語っている。
「10回はコースを飛び出してしまった」
エスパルガロはそう語る。
「妙なんだよ。ターン1に向けて、ブレーキングが基準から1メートルずれると、(制動距離で)100mの代償を払うことになる……本当にワイドに膨らんでしまうんだ。ターン1は難しいコーナーで、まるで氷のようなんだ」
王者のフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)もターン1が非常に難しいコーナーだと語る。さらに彼はインドGPでは暑さへの対処が大変だと語っている。
「コースコンディションは今朝のスタートから良好だった。でもターン1など、一部は本当に難しい。ラインは1本しかなく、ブレーキをかけることができるのも、あるポイントだけだからだ」
「そこから遅れてしまえば、ワイドに膨らんではみ出すことになる。ここを正確にこなすのは本当に難しいんだ」
「バックストレートでは燃えているような感じだったよ。喉と足が焼けるように暑いと感じていた」
なおコースの安全性については、ホルヘ・マルティン(プラマック)が、左コーナーのターン10に十分なスペースがないと指摘している。
「ターン10だけはちょっと限界だと感じたよ」
「幸運なことに、誰もそこではクラッシュしなかった。でもあそこは3速でかなり限界な状況で速度が出ているんだ」
「あそこでクラッシュしようものなら、かなり危険なことになる。今は何もできないけど、来シーズンに向けては絶対に改善を求めるよ」