
ハースはシンガポールGPに向けて、週末を通した作業とクラッシュ時のマシン修復作業を効率化すべく、ピットガレージを刷新した。
マリーナ・ベイ市街地サーキットに登場したハースのピットには、ガレージ中央に新しいカウンターが設置されている。
従来型では、ケビン・マグヌッセンとニコ・ヒュルケンベルグのマシンを収容するガレージの両側を隔てるモノが何もない設計だったが、この変更によって各ドライバーのタイヤストラテジストやパフォーマンスメカニック、チーフメカニックのコミュニケーションや連携が改善されることが期待されている。
このカウンターには、工具や給油設備用の戸棚や収納も設置されており、クラッシュやトラブルなどによってマシンの修理が必要になった時に、素早く作業道具にアクセスすることができるようになった。
これにより、メカニックはガレージ内やガレージ裏の倉庫を行ったり来たりする必要がなくなり、時間の節約となる。
ハースは新しいピットガレージに関して、他チームの半分の期間である1年でコンセプトから完成までこぎ着けたという。カウンターを中央に設置するこのレイアウトを既にライバルチームも使用していることをハースも理解しているが、背景にはビッグチームにも劣らぬインフラ設備を導入したいという意図があった。
また、資本資産である今回の変更が予算制限に組み込まれることはないが、新しいピットガレージで1回の輸送あたり4トンの貨物を節約できるため、ランニングコストの削減と持続可能性の向上に寄与するという。そのため、ハースは1年半以内にこの変更の元が取れると見込んでいる。
そして、ガレージ設備は今後、空路ではなく海路で輸送されることになるようだ。
なお、ガレージ後方にはホスピタリティエリアも新設され、チームがパートナーにさらなるサービスを提供することができるようになった。
シーズン後半にはチームの母国戦となるアメリカGPとラズベガスGPの2戦が控えており、ガレージ刷新のタイミングもこれを見越してのモノだろう。
ハースは作業の効率化を推し進めており、2023年シーズンに向けてはハーフサイズのピットウォールスタンドを導入。年間25万ドル(約3700万円)の輸送費削減に貢献している。
このスタンドは、他チームが主に使用している6〜8人がけではなく3人がけとなっており、チーム代表のギュンター・シュタイナー、チームマネージャーのピーター・クロラ、エンジニアリング・ディレクターの小松礼雄が座っている。
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