
2008年のF1ドライバーズタイトルをあと一歩のところで逸したフェリペ・マッサ。彼は同年に起こったシンガポールGPでの“クラッシュゲート”に関して、F1やFIAが早い段階から事件を把握していたと考えており、この事件の存在がシーズン中に明るみに出てシンガポールGPのリザルトが抹消されていれば、自身がチャンピオンになったはずだと主張している。
マッサはこの一件について、弁護士を使って法的手続きを進めている。これは得られたはずの大金を取り戻すためではなく、「このスポーツにおける正義」のためだとしている。
マッサの代理人を務めるサンパウロ・ヴィエイラ・レゼンデ・アドヴォガドス法律事務所のベルナルド・ヴィアナは、マッサを1ポイント差で下して2008年のワールドチャンピオンに輝いたルイス・ハミルトンが、自身最初のタイトルを失いかねないこの訴訟を支持することを望んでいると話した。
ロイターの取材に対し、ヴィアナは次のように語った。
「彼(ハミルトン)はこのスポーツにおける重要なアンバサダーであり、常に健全性を保ってきた」
「彼はブラジル人からも好かれているし、彼が我々を支持してくれることを期待している。また、我々はハミルトンに対する恨みは一切ない」
ヴィアナによると、マッサの弁護団はF1とFIAが書類に回答する期限を10月中旬まで延長したことを明らかにした。また、マッサの2008年シーズンにおける所属チームであるフェラーリは、これら一連の法廷闘争には加わらない見込みだ。
この書簡についてはこれまで、F1が夏休みで関係者が休暇中であることは、FIAの回答が遅れる理由としては不十分だとして、英国高等法院での正式な異議申し立てに先立ち、9月8日を回答期限としていた。
この件について、ビアナはmotorsport.comの取材に対して次のように語った。
「彼らはさらなる時間を要求しており、我々は誠意を持って彼らにさらなる時間を与えるかどうかを見極めているところだ」
「まだ我々が提示した期限内なので、彼らの返答を待っているところだ。もし彼らの返答が適切で、私たちに何か話を持ちかけてくれば、それでいい」
「仮にそうではなく、彼らの返答が適切でない場合、我々は自分たちが用意している法的戦略を進めていくだけだ」