
WECのハイパーカークラスに参戦しているフェラーリは、ワンツーフィニッシュを飾ったトヨタ勢から1周遅れに終わったWEC富士でのパフォーマンスについて、前戦モンツァとほぼ同じだと主張した。
フェラーリのレース兼テストチーム・マネージャーであるジュリアーノ・サルヴィは、「ル・マン24時間レースの後、このポジションはほとんど変わっていない」と語った。
「トヨタと比較して、我々のポジションは多かれ少なかれ予想通りだった」
7月のモンツァでは、フェラーリ50号車がトヨタの7号車と優勝争いを展開し、16.5秒差の2位となっている。しかしサルヴィはこの結果が、フェラーリとトヨタの相対的なパフォーマンス差について、誤ったイメージを与えていると強調した。
モンツァから、トヨタとの差は広がっているのかと問われ、サルヴィは次のように答えた。
「いや、結局のところそうではない」
彼はレーススタート直後のセーフティカーと、デブリ回収のための短いフルコースイエロー以外はクリーンなレースとなったWEC富士で、1週遅れのフィニッシュとなったのは「想定内だった」と語る。
モンツァではセーフティカーが3回出動しており、それによって差が縮まりトヨタとの接戦が演出されたとフェラーリは考えているのだ。
富士でフェラーリが唯一驚いたのは、スタート直後に首位に立ったポルシェ6号車が素晴らしいレースペースを見せ、3位となったことだという。
「予想外だったのは、ポルシェの速さだった」とサルヴィはレース後に語った。
「それにはかなり驚いた。我々はここで、3番目のチームだったんだ」
サルヴィは、フェラーリが慎重なタイヤ戦略をとったことを認めたが、それは正しい戦略だったと主張している。
ポルシェ6号車は終始ミディアムタイヤで走行。トヨタ勢は一時より摩耗が厳しい左側のタイヤにハードタイヤを使ったこともあったが、これはあまり良くなかったようで、基本的にはミディアムタイヤを多用した。
一方、今季これまでタイヤのデグラデーションに苦しめられることが多かったフェラーリは、ハードタイヤを多く使った。
「我々はここ富士に来たことがなかったし、コースを知らなかったから、タイヤへのアプローチは控えめだった」
「プラクティスが(雨に見舞われ)あまりうまくいかなかったから、ダブルスティントで走ることができていなかったんだ」