
motorsport.comが報じたように、FIAはF1シンガポールGPからボディワークの柔軟性、特にフロントウイングとリヤウイングに対してより厳しい取り締まりを行なうという技術指令をチームに通達した。
FIAはこの技術指令の中で、各チームが『意図的に設計された局所的なコンプライアンス領域』と『接するコンポーネント間の相対的な動き』を利用して、空力性能を大幅に向上させていると述べている。
さらに、固定ポイントを中心に回転したり、特定の領域でたわんだりするデザインはレギュレーション違反だと考えていると付け加えた。
この技術指令は特定のチームを対象にしたものではなく、複数のチームにスポットライトをあてたものだと見られているが、数ヵ月前から疑惑が渦巻いていたのは明らかだろう。
イタリアGPで主要チームの代表たちはFIAの介入を歓迎し、一部のチームがルールの境界線を押し広げすぎていると感じたからこそ、FIAは行動を起こしただろうと示唆した。
レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、規制の強化によってウイングだけでなく、弾性がある”ゴムのようなノーズ”も規制されることになると語った。
「我々にとっては影響がないことだ。しかし我々は、ゴムのようなノーズボックスが使われているのをいくつか見たことがある。だからシンガポールでは、それが対処されるのを目の当たりにするだろう」
マクラーレンのチーム代表であるアンドレア・ステラは、この技術指令がマクラーレンにとって良いニュースだと感じていると説明した。
「FIAは多くの情報を持っているし、クルマの検査に関して他のチームには見えないものを見ることができる」
「彼らは非常に有能なので、我々は彼らの判断とアプローチを100%信頼している。彼らが技術的な指示を出す時期だと考えたのなら、それには理由があるということだ」
「正直なところ、それについてはあまり心配していない。だから、FIAが必要だと感じたのなら、何か取り締まるべきものがあるということだとポジティブに受け止めている。我々にとっては良いニュースだ」
フェラーリのフレデリック・バスール代表は、「我々はFIAを信頼しなければならない。もし彼らが技術指令を行なわなければならないと考えるなら、それはレギュレーションが十分に明確でなかったからだ。そして我々はこの方向性においてFIAを信頼している」と語った。
アストンマーチンは、今シーズンすでにフロントウイングに手を加えなければならないとFIAにアドバイスされたチームのひとつだと考えられているが、チームはそのことについて詳しく語ろうとはしていない。
モンツァで最新の技術指令への対応はチームにとって頭痛のタネになるのかと訊かれたアストンマーチンのマイク・クラック代表は、次のように答えている。
「他のチームのことは言えないが、我々にとっては頭痛の種にはならないだろう」
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