
モンツァ・サーキットで行なわれたF1イタリアGPでは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが優勝。レッドブルにとっては開幕から無傷の14連勝であり昨年から数えて15連勝、そしてフェルスタッペンにとっても10連勝……いずれもF1新記録更新となった。
まさに前人未到の偉業が達成された形だが、レッドブルのライバルであるメルセデスのトト・ウルフ代表はそれらの記録があまり重要ではないと考えている上、フェルスタッペン本人でさえあまり気にしていないのではないかと述べた。
2014年からコンストラクターズランキング8連覇を達成するなど、2010年代中盤〜2020年代初頭にかけて圧倒的な強さを誇ったメルセデス。しかし意外にも、1988年にマクラーレン・ホンダが記録した11連勝という記録には届かなかった。ただ2016年には、10連勝中に迎えたスペインGPでルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグが1周目に同士討ちして記録がストップ、その翌戦モナコGPから再び10連勝しており、場合によっては21連勝を達成していた可能性もあった。
当時のメルセデスが連勝記録を更新できなかったことについて『Sky Sports F1』に質問されたウルフ代表は、次のように述べた。
「我々の時の状況は少し異なっていた。というのも、我々はふたりのドライバーがチーム内で争っていたからだ」
「彼が記録のことを気にしているかどうかは分からない。私にとってもそういった数字は重要なものではないし、Wikipediaに載るくらいでどうせ誰も読まない」
イタリアGPでのメルセデスは、ジョージ・ラッセルが5位、ルイス・ハミルトンが6位という結果に終わった。ウルフ代表はこれについて、ペースでレッドブルとフェラーリに及ばなかったメルセデスが期待できる最大限の結果であったと総括した。
「多くのインシデントがあったが、5位と6位という結果に満足しすぎないようにしないといけない。ただ今日は今あるものを最大限活かしたと思っている」
「(ラッセルとハミルトンが受けた)ペナルティはどちらも正当なものだと思うので、それを見直し、今後どうすれば防げるかを考えていきたい」
またメルセデスは、空力効率という点で彼らの抱える弱点が顕在化している。今回のモンツァだけでなく、ベルギーやアゼルバイジャンといった長い直線のあるコースで苦戦を強いられているのだ。最高速では、ライバルから10km/hほど遅れているとも言われる。
ただウルフ代表はチームの進歩には満足していると言い、次戦シンガポールGPでは復調できると期待している。
「ここはスパとバクーのようなサーキットだが、こういった低ダウンフォースのコースで間違いなく良くなっていると思う。スパはもっと酷かった」
「シンガポールに向けては自分たちに風が吹いているし、そこで最大限の力を発揮しないといけない」