
FIAはF1イタリアGPの予選などで、最適なタイミングでタイムアタックすべく各ドライバーが必要以上に遅く走り、渋滞が発生するのを防ぐべく、レギュレーションを一部変更することを決めた。
F1及びその下位カテゴリーであるFIA F2やFIA F3では、最適な状況でアタックすべく、前を行くマシンとの間隔を広げるために、アタックラップの前の周回の終盤にペースを落とすことがある。これにより後続のマシンが詰まってしまい、渋滞が起きることも少なくない。
この傾向は予選のセッション終盤に起こることが多く、前との間隔を広げたいドライバーと、チェッカーが振られる前にアタックに入ろうとするドライバーの思惑が交錯すると、特にひどい渋滞になってしまう。
多くのグランプリでこのようなことが起きるが、最近ではオーストリアGPやベルギーGPでの例が顕著である。そして、最もこの渋滞が起こる可能性が高いのが、今回のイタリアGPの舞台であるモンツァだとも言える。
金曜日に行なわれたF2とF3の予選では、共に渋滞が発生。F3ではこの中で接触事故が起きて赤旗中断となり、F2ではセッション最終盤に多くのマシンが詰まってしまい、岩佐歩夢(DAMS)をはじめ多くのマシンが満足いくアタックを行なうことができなかった。
FIAは、ピットインするラップでゆっくり走りすぎるドライバーを取り締まるため、セーフティカーライン2から1の間の最低通過タイムを設定している。しかし今回のモンツァでは、過度な渋滞を避けるために、このルールをアウトラップを含む全ての周回に適応することが決められた。
土曜日の朝に発行されたレースディレクターズ・イベントノートのバージョン3には、渋滞の発生を緩和するため次のような文言が追加された。
「イベントの安全かつ秩序ある運営のために、スチュワードが認めた例外的な状況を除き、インラップとアウトラップを含めた予選中および予選終了後のいかなる周回でも、ドライバーはセーフティカーライン2からセーフティカーライン1の間を1分41秒より遅く走行することはできない。それを超えた場合には、不必要にゆっくり進んでいるとみなされる可能性がある」
「誤解を避けるため、これはサーキット全体に適応されるFIA F1競技規則第33.4条および第37.5条よりも優先されるものではない。インシデントが起きた場合には、通常では予選セッション後に調査されることになる」
前述のとおりここモンツァでは、他のサーキットよりも渋滞が起きやすいと言える。ドライバーたちはマシンの最高速を少しでも引き上げるためにスリップストリームを使おうと、他のマシンの後ろにつこうとする傾向がある。一方で、ドライバーたちは他のドライバーたちにスリップストリームを使われることを嫌う。
2019年の予選では、Q3の終わりで各車がポジションを巡って牽制。その結果、マシンの列全体がコントロールラインを通過する前にチェッカーフラッグが振られてしまい、多くのドライバーが最終アタックに入ることができなかった。
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