
レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、マシンが自分のドライビングスタイルに合わせてデザインされているから、圧倒的なパフォーマンスを発揮できているわけではないと語った。
メルセデスのチーム代表を務めるトト・ウルフは、オランダGPが開催されたザントフールトで、フェルスタッペンがチームメイトのセルジオ・ペレスに対して優位に立っている理由について、トリッキーなマシンがよりフェルスタッペンに合っているからだとほのめかした。
ふたりの差について訊かれたウルフ代表は、次のように答えた。
「マックスがチームメイトをことごとく撃破したのは見てきたとおりだ」
「彼にマシンを作り上げる能力があるかどうかは分からないが、コントロールがとても難しいものの、それができれば速いマシンがある。そうしたギャップができる理由の説明は聞いたことがないが……奇妙だね」
一方でフェルスタッペンは、与えられたクルマのポテンシャルを最大限に引き出すために、どんなクルマにも自分のドライビングを適応させることができると主張している。
マシンが自分のスタイルに合わせて設計されているという指摘に対して、フェルスタッペンは「くだらないコメントだ」と一蹴した。
「そんなことはないよ。つまり僕はただ、可能な限り最速の方法でクルマを走らせているだけなんだ。それが自分の好みだからって、フロントエンド(のグリップ)をもっと寄越せと言うためにそこにいるわけじゃない」
「僕はただ、最速のクルマをデザインしてくれと言っているだけだ。僕はそれをドライブする。どの年のクルマも毎年少しずつ違うんだ」
「みんな、僕のドライビングスタイルについて聞いてくるけど、僕のスタイルは特定のものではない。クルマを速くするために必要とされるスタイルに適応しているんだ」
レッドブルとフェルスタッペンが今季成し遂げようとしていることが全体的に過小評価されているのではないかと質問され、彼は継続して成功をつかむのは見た目ほど簡単ではないと認めた。
「僕は何かを証明するためにそこにいるわけじゃない。自分の持っているモノでベストを尽くすためにいるんだ」
「それにおそらく、チーム内でなにが起こっているのか、みんなは知らない。素晴らしいクルマを生み出すのがどれだけ難しいのか、そして素晴らしいクルマがあったとしてもこれまでの全レースで勝つのがどれだけ難しいことなのか、分からないんだ」
「誰かが常に良い仕事をしていると、それを評価できない人もいる。僕自身のことだけを言っているんじゃない。チームのオペレーション全体のことを言っているんだ」
「僕は自分の仕事をするためにそこにいる。他の人たちに、自分のしてくれることを認めてもらうためじゃない」
レッドブルのチーフテクニカルオフィサーであるエイドリアン・ニューウェイは、フェルスタッペンを史上最高のドライバーのひとりに挙げたが、これについてフェルスタッペンは控えめな反応を見せた。
「こういうことに関しては、人それぞれ意見がある。でも僕としては、自分がこのスポーツの偉大な人たちの中に属していることを証明するためにF1に参加したわけじゃない」
「僕はただ、自分にできるベストを尽くし、チャンスがあればできるだけ勝つためにここにいるんだ」
「クルマを運転するのはとても楽しい。でも、毎週末いつも色々なことが起こるし、最適化しなければならない」
「決して一筋縄ではいかない。もちろん、ある意味ではオートマティック・パイロットのようなものだけど、それ以上に多くの経験を積むことができると思う。クルマを走らせながら、他の多くのプロセスについても考える。僕にとっては、真新しいことではないんだ」
フェルスタッペンは今週末のイタリアGPで個人10連勝の達成に挑むが、セバスチャン・ベッテルが達成した9連勝という記録には当時感銘を受けたと語った。
「彼がそれを達成したときのことを覚えているよ。僕は『ワオ、なんてクレイジーな記録だ。誰も更新できないんじゃないか』と思った。そして今、僕はそこにいる。クレイジーな数字だけど、それに固執しすぎることもないんだ」
「まず9連勝するとは思っていなかったが、ここまで来たからには、もちろん10連勝を目指したい。でも、それよりもただ勝ちたいんだ。頭の中にあるのは10という数字じゃない」
「それに、週末に集中することは、とても助けになると思う。今週末はタイヤ選択がいつもと違うから、すでに十分難しいんだ。僕はただそれに取り組んで、何が起こるか見るだけさ」