
F1オランダGPを2位で終えたフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)は、決勝レース1周目に見せた見事なオーバーテイクについて、フリー走行からリハーサルしていたと明かした。
5番グリッドからレースに臨んだアロンソは、ターン2でカルロス・サインツJr.(フェラーリ)のアウト側に回り込んでポジションを回復すると、バンクのあるターン3で今度はイン側に飛び込んだ。そしてジョージ・ラッセル(メルセデス)やアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)がハイラインを通過する中、アロンソはその下を抜けてランド・ノリス(マクラーレン)に次ぐ3番手に浮上した。
アロンソはこの2台抜きのきっかけをフリー走行での”実験”から得たと語った。
「FP1かFP2、ウエットだった。あるアウトラップで数台に通常のレーシングラインを進ませたんだけど、その時にイン側にグリップがあることが分かったんだ」
「だからウエットコンディションになった場合に備えて、それをウイーク中ずっと頭の片隅に置いていたんだ」
「またそれをトライする準備ができていたんだ。グリッドについてレッドシグナルが点灯した時、バイザーにたくさんの水滴がついていたんだ」
「スリックタイヤでレースをスタートする準備ができているのに、バイザーには雨粒がついているんだから、フィーリングは最悪だ。ターン1へのブレーキングやターン3でのグリップが全く分からないわけだからね」
アロンソは、小雨の降る1周目はターン3アウト側のアスファルトに広告バナーがペイントされているため、このコーナーでは誰もが慎重になるだろうと予測していたという。
結果、アロンソは素晴らしいオーバーテイクを成功させた。彼は、これが”今月最高のオーバーテイク”にふさわしいモノだったと自画自賛した。
「みんながグリップレベルが分からないターン3では少し慎重になるだろうと思っていたんだ」
「ターン3の外側にはペイントがあるから、そこでは少し慎重にならざるを得ない。だからイン側のラインを考えたんだけど、うまくいった」
「間違いなく”今月最高のオーバーテイク”になるはずだ。そう願うよ」