
マクラーレンのランド・ノリスは、F1オランダGPをフロントロウ2番グリッドからスタートしながらも、スタート直後に降り出した雨への対応が遅れたことで大きくポジションを落とし、7位でフィニッシュするのが精一杯だった。
ノリスはこのレースについて、「間違った決断をしたのは明らか」と語る。
前半戦の終盤に大躍進を遂げたマクラーレン。後半戦がスタートしてもその勢いは衰えず、予選ではノリスが2番手。チームメイトのオスカー・ピアストリも8番グリッドからスタートすることになった。
しかし決勝レースでは、ザントフールトの気まぐれな天候に翻弄された。
スタート直後、ザントフールトは突如激しい雨に見舞われた。複数のマシンが1周目終了時点でピットインし、ドライタイヤからインターミディエイトタイヤへと履き替えたが、レーダーに捉えられた雨雲の影はそれほど大きくなく、すぐに降り止むことが予想された。そのため、ドライタイヤで走り続けることを選んだドライバーもいた。
そんな中ノリスは、3周目が終わった段階でピットインし、インターミディエイトタイヤに交換した。しかしこれは中途半端な作戦であり、再びドライタイヤに履き替えた時には、13番手までポジションを落とすことになった。
「あんまり多くのことを話すつもりはない。何か言うとニュースの見出しになってしまうし、それが本当に苦手なんだ」
ノリスは決勝レース後にそう語った。
「無線を聴いて、見出しを考えてよ! でも、僕らが間違った決断を下したのは明らかだと思う。それについて僕らは検討し、話し合うことになるだろう」
「僕らは今シーズン、何度かミスをしたと思う。それが原因で、今年はあまりにも多くのポジションと多くのポイントを失うことになった。今回はレース後半にポジションを取り戻したけど、ミスを埋め合わせることはできなかった」
2021年のロシアGPでも、ノリスはレースの大半で先頭を走りながら、レース終盤に降った雨への対応が遅れ、勝利を逃した。それと同じことが起きたのかと尋ねられたノリスは、次のように語った。
「状況は違うけどね。でも一般的に、得をした時よりも損した時のことの方をよく覚えているモノだと思う。だから同じ状況だとは思えない」
「僕らは良い一歩を踏み出した。多くの点で良い進歩を遂げたと思う。でも今日のようなレースの後では、本来いるべき場所から遠く離れているように感じるのは明らかだ」
ただ今回のレースでは、戦略によってチャンスを失ったと感じていることを、ノリスは明かした。
「ペース次第の時もあれば、戦略次第の時もある。今日は戦略が僕らを混乱させた。ペースは問題なかったと思う」
そうノリスは言う。
「でも十分ではなかった。アストンマーチンと比べればそうだし、メルセデスと比べても酷かった。今日の僕らのペースは、予選で示したペースとは大きくかけ離れていた」
「僕らのアタックラップでのスピードは、レースペースよりもはるかに競争力がある。それがどんどん顕著になってきていると思う。それを修正し、前進するためにできる限りのことを行なっている。でも、現時点では十分ではない」
そんな中でも2台揃って入賞できたのはポジティブだと語るノリス。しかし次のイタリアGPは超高速サーキットのモンツァが舞台となるため、厳しい戦いを強いられるかもしれないと語った。
「今日は7位でとても満足している。もっと悪い順位だった可能性もあるからね」
そうノリスは言う。
「モンツァがどんな週末になるかはわからないけど、トリッキーであるのは間違いないと思う」
「天候が助けになるとは思わない。そもそも、天気がどうなるかなんて、現時点では分からないしね。でも現時点では、僕らの弱点はストレートなんだ。そんな中で何ができるかを見ていくつもりだ」