
アルファタウリのリアム・ローソンは、F1デビュー戦となったオランダGPを13位でチェッカー。コンディション変化の大きかったレースで「あらゆる状況を体験できた」と振り返っている。
サマーブレイク明け最初の1戦となるオランダGPでは、初日のフリー走行2回目でF1復帰を果たしたばかりのダニエル・リカルドがクラッシュに伴い左手を骨折。2日目以降はレッドブル系チームのリザーブドライバーを務め、今季は日本のスーパーフォーミュラに参戦するローソンが代役として抜擢された。
ローソンにとってAT04での初走行となった土曜日のフリー走行3回目は、いきなりのウエットコンディション。続く予選も雨絡みのセッションとなり、ローソンは最後尾の20番手となった。
決勝レースはドライ→ウエット→ドライ→ウエットとコンディションが目まぐるしく変化する展開に。強く雨が降り注いだ際にはコースオフやクラッシュを喫するドライバーもいたが、ローソンはマシンを壊すことなく72周を走りきった。
「ちょっとヒヤヒヤしたね! 見ての通り、コンディションはめちゃくちゃだった」
ローソンはmotorsport.comにそう語った。
「グリッドに着くと雨が降ってきて、最高の気分じゃなかったよ。でもレースを通して、僕は確実に多くのことを学べた」
ローソンは無事完走できた一方で、レースではタイムペナルティを受けることもあった。
このペナルティはレース1周目の雨に起因するモノ。アルファタウリは1周目の終わりで角田裕毅、ローソンの順番でダブルストップを敢行したが、チームが角田のピットストップで手間取ったこともあり、ローソンのマシンがハースのケビン・マグヌッセンに対してトランジションレーンを塞ぐ形となってしまった。
FIAレーススチュワードはローソンがマグヌッセンを「不必要に10秒以上妨げた」として、ローソンに10秒のタイムペナルティを科した。
「レース前半は少し……ベストではなかった」とローソンは続ける。
「僕らはピットストップで詰まってしまってタイムを失い、ペナルティを受けることになった。それが全てだ」
「でも後半は、クリーンエアでソフトタイヤの感覚を掴み始めたし、インターミディエイトでもフィーリングは良くなっていった。予選日よりもより快適に感じられたよ。それは間違いないね」
完全なドライコンディションとなってからローソンは、マシン損傷によってペースを落としていたフェラーリのシャルル・ルクレールと抜きつ抜かれつの戦いを繰り広げるシーンもあった。
そして様々な状況を1レースで経験したことが、良い学びになったとローソンは考えている。
「かなり波乱万丈だったね!」とローソンは言う。
「彼(ルクレール)はソフトタイヤでかなり苦戦していたと思う。僕が彼を抜いても、彼がストレートで抜き返したんだ。少しフラストレーションが溜まったけど、いい経験になったよ」
「複数回のピットストップを行なって、ホイール・トゥ・ホイールのバトルもあって、レインとドライもあったから、このレースであらゆる状況を経験できたと思う。いい勉強になったよ!」
ローソンは13位フィニッシュと入賞こそ逃したものの、難しいレースで無事チェッカーまでマシンを運んだ。今回の結果にローソンはある程度満足していると語っている。
「いつも僕は振り返りを行なうし、今回についてもそうするつもりだ」とローソンは言う。
「もっと上手くやりたかったことは確かにあるけど、それなりには満足しているよ」
ローソンの走りを、レッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表も称賛している。
「可哀想なことに、彼は一度も乗ったことがないマシンに乗せられ、ウエット/ドライという全てのコンディションが襲いかかった」とホーナー代表は言う。
「彼は本当に良くやったと思うよ。実際、彼はインターミディエイトタイヤを履いている時、アウトラップを走っているマックスをオーバーテイクしていた。経験のない彼があのような難しいレースを完走したこと自体、とても良くやったと言える」
オランダGPの1週間後にはモンツァでのイタリアGPが控えている。しかし日曜日にスペインで手術を終えたばかりリカルドがシートに復帰することは考えにくく、イタリアGPでもローソンがアルファタウリからF1に参戦する可能性が高そうだ。
なおホーナー代表は、イタリアGPから2週間後のシンガポールGPでリカルドが復帰できると予想している。
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