
ザントフールトで行なわれたF1オランダGP。フェラーリのシャルル・ルクレールは、オープニングラップでマクラーレンのオスカー・ピアストリと接触したことでマシンを損傷。しばらくはコース上に留まり走行を続けたが、チームは最終的に彼をリタイアさせることを選択した。
ルクレールは完走することができなかったものの、レース序盤で入賞のチャンスを簡単に諦めることはできなかったと語っている。
ルクレールはピアストリと接触した上、いきなり降り出した雨に対応すべくピットに飛び込んだ彼に対して、ピットクルーはインターミディエイトタイヤの用意が遅れ、多くの時間をロスすることになってしまった。
チームは接触によって受けたフロアのダメージをどうすることもできず、ルクレールのマシンは周回を重ねるにつれてダウンフォースも徐々に失っていったという。
そしてルクレールはこのレースがF1デビュー戦となったアルファタウリのリアム・ローソンに交わされ16番手まで順位を下げた後、リタイアを選ぶこととなった。
ルクレールは雨を待って走行を続けていたものの、レース後半の雨が助けになることはなかっただろうと語る。
「ダメージがあった1周目から、無線でみんなが言っていた以上のモノ(影響)を感じていた」とルクレールは言う。
「当初は(ダウンフォースの低下は)5〜10ポイントだと聞かされていたけど、明らかに60ポイント以上失っていると分かった。1周目以降は、ダウンフォース量が下がっていく一方だった」
「正直に言うと、僕らは雨が降るのを待っていたんだ。もちろん、雨の中60ポイントもダウンフォースが少ないマシンでは走らせるのはトリッキーなことだ。でも、カオスな状況も増すし、他の人とは違うことをしたら1〜2ポイントは獲得できるかもしれない」
「どんなポイントも重要だから、あまり早くに諦めたくはなかった。でも雨は来ないと分かった。後になって降ってきたけど、もう手遅れだっただろうね」
ピアストリとの接触について、ルクレールは次のように説明している。
「僕らはウエットコンディションでスリックタイヤを履いていた。ちょっとした接触だったけど、どうしてか僕のマシンには大きな影響を及ぼした」
ルクレールのレースはピット作業が遅れたことでさらに厳しいモノとなったが、ピットストップのタイミング自体に後悔はないという。
「最終コーナーでピットストップを要請したんだ。かなり遅かったね」とルクレールは説明する。
「でも最終コーナーでの状況を見ていたら、ピットストップで5〜6秒失ったとしても、1周で簡単に取り戻せるくらいだった」
「若干タイムを失うことは予想していたし、チームとしてこういったコンディションでもう少し用意をしておく最適化もできたはずだ。それを除けば、正しい選択だったと思う」
そしてルクレールは、オランダGPが厳しい今季の中でも最もハードなレースだったと認めている。
「こういうリタイアは良くないけど、かなり難しい週末だった」とルクレールは総括する。
「バランスという点では、おそらく今季最も難しい週末だったし、マシンのドライバビリティという点でもそうだ。調べてみる必要がある。ここ2〜3レースはこういう点で改善できていただけにね。何らかの理由で、今週はそうならなかった」