
MotoGPのTV中継にフランコ・モルビデリ(ヤマハ)が不満を表明しており、彼はF1のように中団グループの争いをより観客に届けるために改善する余地があると主張した。
先日行なわれたMotoGP第10戦オーストリアGPは、ドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤが独走体制を築き、ライバルにチャンスすら与えずに勝利するという”横綱相撲”のレースとなった。
そんな決勝レースの中継の在り方に、モルビデリは物申している。
彼は退屈な優勝争いの一方で繰り広げられている、実力あるライダー達による中団グループの争いを観客にアピールする機会が欠けており、MotoGPでもF1のように取り扱うべきだと主張している。
「ショーは先頭の方で起こっているけれど、中団グループでもショーはあるんだ」
11位でフィニッシュしたモルビデリはそう語る。
「中団グループにも、強いライダーと激しいバトルがある」
「僕としては、F1のことを考えていたんだ。F1は中団グループの全てのバトルを追いかけられるから、MotoGPにも改善の余地はあって、中団グループの争いを目立たせる方法があるんじゃないかと思ったんだ。今、このグループにはとんでもないライダー達がいるんだ」
「8度の世界チャンピオン(マルク・マルケス)に、ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)もいる。彼もチャンピオンだ」
「必死に戦っているライダーがここにはいるんだ。だからレース中にもっとこういった所を見せることで、状況を改善できる可能性があると思う」
モルビデリはそう主張した。ただどんな取捨選択が行なわれるかには、MotoGPのレース時間の長さも関係している。MotoGPは通常45分以内のレースだが、F1ではその倍の時間となっており、中継の余裕が異なっていると言えるだろう。
また運営のドルナ・スポーツも、中継内容の改善のために数多くの対策に取り組んできていることは間違いない。ライダーのショルダー部分に搭載するカメラはその一例だが、オーストリアGPでは同様のカメラをライダーの背中に取り付ける試みも行なっていた。