
フェラーリのシャルル・ルクレールは、2026年に導入される次世代マシンについて、軽量化を望む一方で、今の”印象的な”ダウンフォースは維持したいと考えている。
現代F1マシンの重量は、15年前のマシンと比べて200kg以上も増えており、今年の最低重量798kgはドライバーやチームから不評を買っている。
マシンの軽量化は、FIA会長のモハメド・ベン・スレイエムが2026年に導入される次世代レギュレーションに向けて取り組みたいと考えている重要なポイントのひとつである。
2026年に導入される新パワーユニットでは、V6エンジンとモーターの出力が同程度になる予定であり、バッテリーがより重くなることを考慮しても、少なくとも同レベルの重量を保つことが望ましいと考えているチームがほとんどだ。
ルクレールは、マシンの重量が軽減されることを願う一方で、2023年シーズンの”非常に印象的な”ダウンフォースレベルが維持されることを望んでいる。
「僕は2018年にF1にデビューしたけど、クルマはすでにかなり重かった」とルクレールはmotorsport.comの独占インタビューで語った。
「僕はアブダビで、2004年のクルマに50キロの燃料を積んで走ったけど、今のクルマとの違いは間違いなく感じられたよ」
「重いクルマは好きじゃない。クルマの俊敏性や低速コーナーでは、重さを実感できると思う」
「一方で今、中高速コーナーで経験していることは印象的だと言わざるを得ない。12~13年前と比べると信じられないことだ」
「だからバランスが大事だと思う。これ以上重くしたくないのは間違いない。でも過度な軽量化は空力を妥協することにもなる。というのもマシンが大きくなったからこと、12年前と比較してより多くのダウンフォースを生み出しているからだ」
ルクレールは現在のF1マシンが予測が難しいモノだと感じているようだが、次第に各チームが改善点を見つけていくだろうと考えている。
「(今のF1マシンは)過去と比べて、かなり違う方法で走らせているんだ」
「過去10年から15年は、クルマは多かれ少なかれ同じように走っていた。今は哲学がかなり違うんだ」
「そして、このクルマはすべての変更に対してより敏感で、ほんのわずかな変更で非常に良い状態から非常に悪い状態になることもある。だから、予測不可能なことが起こるんだ」
motorsport.comの姉妹サイト『Motorsport-Total.com』の取材に応じたベン・スレイエム会長は、より軽量なマシンを求める要望はFIAとF1の間で共有されていると語った。
「我々はそれを検討している。それは可能だし、関係者全員にとってより良いものになるだろう」
「我々がなぜこのようなことをしているかというと、80%の(CO2)排出量削減という約束したことを確実に達成するためなのだ」
「少し楽観的すぎるかもしれない。我々の目標は80%の改善だが、それはマシンの軽量化、ICEやバッテリー、空気力学の改善、燃料使用量の削減から生まれる」
「そのすべてを組み合わせることで違いが生まれる。もし、方程式から一つでも外せば、目標に到達することはできないだろう」