
モビリティリゾートもてぎで行なわれた、スーパーフォーミュラの第7戦。その決勝レースのスタート直後に、複数のマシンが絡むクラッシュが発生した。このクラッシュに巻き込まれた関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)と松下信治(B-Max Racing Team)に話を訊いた。
スタート直後のことだった。3番グリッドから好スタートを決めたリアム・ローソン(TEAM MUGEN)が、チームメイトの野尻智紀をオーバーテイクしようと、ターン2でアウト側から並びかけた。しかしローソンは縁石に乗り上げてしまい、コントロールを失ってスピン。しかもあろうことか、コントロールを失ったままコースの中央部に戻ってきてしまい、後続の進路を妨害。複数のマシンがローソンに追突する格好となった。
この事故により、関口と松下、そして牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がレースを終えることになった。牧野はなかなか自力でマシンから脱出することができず心配されたが、後にいずれのドライバーも大事に至らなかったことが報告されている。
関口はもっとも激しい形でクラッシュした。ローソンのリヤに乗り上げた関口のマシンは宙を舞い、上下逆さまになった形でコース脇にストップした。しかし関口は自力でマシンから這い出すことができた。
「前でレッドブル(TEAM MUGEN)のマシンがスピン状態でコース上に戻ってきて、自分の行く方向に来てしまいました」
そう関口はレース後に語った。
「ハンドルを切りながら減速したんですが、予測が外れてその方向にマシンが来てしまいました。それで減速している時に後方から追突され、僕もレッドブルのマシンにぶつかってしまいました」
「追突されなくても、避けきれてはいなかったと思いますけどね」
関口曰く、今回のクラッシュで頭を打ったという。大事には至らなかったものの、それも現在のマシンに装着が義務付けられているヘイローのおかげだと語った。
「頭を打ったんですが、ヘイローに守られたという感じです」
そう関口は説明する。
「今マシンを見たんですが、ヘイローがすごく傷ついていた。あれがなかったら、危なかったかもしれません」
「頭を打っているんで、一応様子を見たいと思います。アドレナリンも出ていますから。もう2時間くらい経っていますから大丈夫だと思いますが、念のためひと晩寝て、明日朝起きて問題なければ、本当に大丈夫だと思います」
一方で松下は、前方でのクラッシュを避けるためにコース外に飛び出したことで、ガードレールにぶつかってしまったと語った。
「僕は山本(尚貴/TCS NAKAJIMA RACING)の後ろにいたと思いますが、前がよく見えませんでした。レッドブルのマシンがスピンしているのは分かったんですが、それがどっちにくるか分からなかったんです」
松下は当時の状況をそう説明する。
「それで僕は、とりあえず右に行きました。でも他のマシンもみんな右に来てしまい、僕はダートに逃げました。そしたら、ダートからガードレールに当たって終わり……すると牧野のマシンが降ってきたんです」
「誰かがひっくり返っているのは見えましたが、それがどっち(関口か牧野)かは分かりませんでした。残念です」
松下に関しては、身体はまったく問題ないという。
「任祐が大丈夫そうなので良かったです。僕は大丈夫。僕はあんまり当たってませんから」
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