2023.8.13

【MotoGP】ヤマハのアレックス・リンス起用、その理由は「天性の才能」!? クアルタラロ離脱の可能性には危機感も

Gold and Goose / Motorsport Images

 先日明らかとなったアレックス・リンスの2024年からのヤマハ加入。ホンダ陣営に加入してわずか8レースの時点で、移籍することを決めてしまったリンスだが、ヤマハ側はリンスの“天性の才能”が決め手になったと語っている。

 リンスは2022年までスズキのライダーとしてMotoGPを戦ったが、チームの撤退によって、2023年からはLCRホンダへ加入。第3戦アメリカズGPでは勝利を収めるなど活躍も見せていたが、ホンダのサポート体制に愛想を尽かすと、2024年からヤマハへ移籍する決断を下した。

 リンスのヤマハ加入にあたって気になってくる点は、ヤマハがフランコ・モルビデリの後任として、なぜ同じようにスズキからホンダへ移り、今は苦戦し不満を持っているジョアン・ミルではなく、リンスを選んだのかという点だ。

 ヤマハのマネージングディレクターを務めるリン・ジャービスは、リンス獲得の理由については“天性の才能”を挙げている。

「彼(リンス)は真のファイターだ。ミルは速く優れたライダーだが、グランプリでは1勝しかしていない」

 ジャービスはmotorsport.comの姉妹媒体であるGPoneのインタビューの中で、そう語った。

「アレックスはより天性の才能があり、時には衝撃的なことを成し遂げる力がある。彼が今シーズン(イギリスGP以前)、唯一ドゥカティ以外で勝利したライダーだということを忘れてはいないだろうか」

「彼はスズキでも勝ってきていて、今年はホンダでも勝利した。確かにオースティン(アメリカズGP)は彼の得意なコースだが、彼は直4エンジンに対する経験や、ポジティブな姿勢もある。。それに加え、彼は本当に我々とやりたがっていた」

 なおジャービスはリンスと契約できなかった際のプランBについては以下のように語っている。

「ああ、プランBはあった。(Moto2参戦中のトニー)アルボリーノは順調に成長していて、将来の選択肢になる可能性があった。ただ今の我々はルーキーを望んではいなかった。我々は経験あるライダーを必要としている」

「しかしモルビデリとリンスのどちらが優れているかは分からない。結局のところ、ライダーの選択というのはいつでもギャンブルなんだ。そこに保証は存在しない。だがチームに変更を加える時が来ていたし、フランキー(モルビデリ)にも新たな刺激となるいい解決策だと思う」

 ヤマハはリンスを獲得した一方で、現所属のファビオ・クアルタラロからはマシン改善のプレッシャーがかなり強くなっている。クアルタラロはミサノテストが、”最後のチャンス”になると語っており、2024年向けのプロトタイプマシンの出来次第ではヤマハを離れる可能性もあると示唆した。

 ジャービスもクアルタラロの離脱の可能性は認識しており、特にホンダが彼を狙っていると語った。

「怖い、という言葉は好きではないが、ホンダがそのリスクのひとつであることは認識している」

「なぜならホンダはトップライダーを望んでおり、ファビオはその1人だからだ。彼をキープするために、我々は競争力のあるバイクを用意する必要がある。我々はより良いモノを用意するために集中していることを、事実で示す必要がある」

出典: https://jp.motorsport.com/motogp/news/jarvis-honda-will-want-a-top-driver-and-quartararo-is/10507189/
この記事を書いた人 Matteo Nugnes

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