
現在チップ・ガナッシ・レーシングからインディカー参戦中のアレックス・パロウが、マクラーレンと結ばれていた契約を解除したことが今週分かった。一方的な契約解除としてマクラーレン側から批判の声も挙がっているが、チップ・ガナッシ側はマクラーレンが”被害者ぶっている”と批判的だ。
パロウとマクラーレン、そしてチップ・ガナッシ・レーシングは、2022年の段階から契約面で揉めてきた。最終的にパロウは今季はチップ・ガナッシでインディカーを走り、F1のテストなどにマクラーレンから参加する形に落ち着いたが、今週末にはパロウがマクラーレンとの契約を破棄したことが分かった。なおパロウは、2024年以降もチップ・ガナッシ・レーシングに残留すると見られている。
マクラーレンのザク・ブラウンCEOは「アレックス・パロウが2024年以降にインディカーで我々と共にレースをするという契約上の義務を遵守するつもりがないということを、非常に残念に思っている」と声明を出し、これまでの投資に対する不義理は残念だと語った。
しかしチップ・ガナッシ側は、マクラーレンが被害者ぶっているとその態度に不満を抱いている様子だ。
オーナーであるチップ・ガナッシの声明には、次のように記されている。
「私のことを知っている人なら誰しも、私が契約状況についてコメントするような習慣がないことは分かっていると思う。この話を聞いた時から沈黙を続けてきたが、今は反応する必要があると感じている」
「私はマクラーレンというチームに、そして彼らの成功にリスペクトを持って育ってきた。しかし、新しい経営陣は同じようにリスペクトをできないんだ」
「アレックス・パロウは我々のチームの一員であり、2021年シーズンから契約下にある。マクラーレンからの契約の干渉によって一連の出来事が始まったが、皮肉にも彼らは被害者としての立場を演じている」
「簡単に言えば、マクラーレン・インディカーの我々のドライバーに対する立場は、不正確かつ間違ったモノだ。彼(パロウ)はGCR(チップ・ガナッシ・レーシング)の契約下にある」
なおパロウは12日(土)に行なわれた第14戦インディアナポリスの決勝では7位フィニッシュ。ドライバーズランキングでは2番手の僚友スコット・ディクソンに対して101ポイントの大量のリードを築き、首位をひた走っている。