
ナッシュビルで行なわれたインディカー・シリーズ第13戦ミュージックシティGP。決勝レースを制したのはアンドレッティ・オートスポートのカイル・カークウッドだった。
大雨によって3時間半以上遅れて行なわれた予選では、ペンスキーのスコット・マクログリンがポールポジションを獲得。マクラーレンのパトリシオ・オワードがフロントロウに並んだ。
マクログリンが80周の決勝で順当にスタートを決めてオワード以下を従える中、8番手スタートのカークウッドはペンスキーのウィル・パワーを交わして7番手にポジションを上げた。
カークウッドはさらにデイル・コイン・レーシングのデイビッド・マルーカスを抜き去ったが、12周目にそのマルーカスにトラブルが発生。リヤウイングが脱落しターン4でマシンを止めたことでレース最初のイエローフラッグが提示された。
レースは16周目にグリーンフラッグが振られ、マクログリンを先頭にレーシングスピードへと戻った。ここでカークウッドは、失速したチームメイトのコルトン・ハータを接触しながらも抜き、マクログリン、オワード、もうひとりのチームメイトであるロマン・グロージャンの後ろ4番手まで浮上した。
ただ、オワードはタイヤデグラデーション(性能劣化)が著しく、マクログリンに4秒差をつけられた上にターン9で大きくはらんでグロージャンとカークウッドの先行を許してしまった。
首位マクログリンが25周目、グロージャンが28周目、カークウッドは29周目にピットイン。ここで1回目のイエローで早めのピットインを済ませていたチップ・ガナッシ・レーシングのアレックス・パロウがトップに浮上し、カークウッドがオーバーカットに成功して2番手となった。
このレースがインディカーデビューとなったメイヤー・シャンク・レーシングのリナス・ルンクヴィストは、パロウと同じピット戦略を採って3番手までポジションを上げたものの、その後ペースに勝るグロージャンとマクログリンに交わされてしまった。
レース折返しではパロウがカークウッドを1秒リードし、パロウは45周目にピットへ。カークウッドは51周目にピットへ向かったが、この間必死の抵抗を繰り広げるグロージャンをマクログリンが抜いており、ピットストップ後のトップ3はカークウッド、マクログリン、パロウの並びとなった。
残り10周となったところでパロウは燃料セーブ戦略から攻めに転じようとしたが、ここで再びイエロー。鮮烈なデビュー戦となっていたルンクヴィストがターン11のウォールに吸い込まれたのだ。
これにより残り7周で再スタートが切られたが、直後にまたもターン11で3台が絡むアクシデントが発生し、レースは赤旗となった。
レースは残り4周で再びグリーンフラッグが降られ、カークウッドが首位を堅持。最終ラップまでマクログリンは攻め立てたが、カークウッドが0.7633秒差でトップチェッカーを受け、シーズン前半のロングビーチGPに続いて今季2勝目をカークウッドが挙げた。
パロウは燃料に不安を抱えながらも、ドライバーズランキング2番手のジョセフ・ニューガーデン(ペンスキー)を抑えて3位フィニッシュ。ドライバーズランキングのリードを84にまで拡大した。