
シルバーストンで開催されるイギリスGPに先立つ8月2日(水)、ヤマハは2023年限りでフランコ・モルビデリと袂を分かつことを発表。後任としてLCRホンダからアレックス・リンスが移籍することが決まった。この決定についてグレシーニのアレックス・マルケスは、「理解できる」と語る。
スズキが2022年限りでMotoGPを撤退したことで、リンスは今季LCRホンダから参戦し、ホンダ陣営として今季ここまでで唯一の勝利を挙げている。
しかしリンスはホンダ陣営加入からわずか1年で離脱することに。ホンダとは2年のファクトリー契約を結んでいたが、その契約にはワークスチームからのオファーがあれば離脱できるという条項が含まれていたようだ。
リンスはアメリカズGPを制する前、メディアに対してホンダが自分を活かしきれていないと不満を語っており、サマーブレイクに先立ってヤマハと2024年以降の契約を交わした。
そうした背景と自身の経験から、リンスの判断に理解を示すのがマルケスだ。彼も過去3年に渡りホンダ陣営に身を置きながらも、RC213Vのパフォーマンスに手を焼き、ドゥカティ陣営へと移籍することを選んでいる。
「僕は理解できるよ」
マルケスはシルバーストンで8月3日(木)にそう語った。
「チームやLCRのことを考えると悲しいよ。彼らとは色々な事があったし、彼は半年で移籍を決めてしまったんだからね」
「でも結局ワークスチームの方が魅力的だし、バイクに関する(ホンダとヤマハの)両方の状況を見れば似たようなモノだから、この移籍は理解できるよ」
「ワークスチームでは、より多くのモノを見ることができる」
「驚きもしてないよ。シーズン序盤に彼が不満を漏らしていた時も、僕は驚かなかった」
リンスはイタリアGPでのクラッシュで骨折した脚の療養を続けているため、イギリスGPを欠場。LCRホンダは、スーパーバイク世界選手権(WSBK)に参戦中のイケル・レクオナを評価も兼ねて代役として起用した。
なお、LCRとホンダの契約は2024年末に満期を迎えるが、チーム代表のルーチョ・チェッキネロは先月、GPoneの取材に対して、KTMから提携の打診があったことを明かしている。
しかしチェッキネロは、2024年にホンダを離れることはないと明言している。