
先日行なわれたF1ベルギーGPで、ウイリアムズのアレクサンダー・アルボンは14位でフィニッシュした。このレースについてアルボンは、タイヤがオーバーヒートしてしまい酷い性能劣化に苦しめられたと明かしたが、途中で雨が降ったことによりタイヤが冷え、本来のパフォーマンスを発揮することができたタイミングもあったという。
F1ベルギーGPの舞台であるスパ・フランコルシャンは、最高速が求められるコース。ゆえにウイリアムズの今季マシンであるFW45の特性に合ったサーキットであると考えられ、チームも入賞のチャンスだとみなしていた。
アルボンは15番グリッドからのスタートとなったものの、1周目に10番手までジャンプアップ。最初のピットストップを行なうまでに、7番手までポジションを上げることに成功。レース前の期待通り、入賞が大きく近づいたように見えた。
しかし、スパ・フランコルシャンの中でもダウンフォースを必要とする大2セクターで苦戦。タイヤを労わるために同セクターでペースを維持するのに苦しみ、ポジションを落とすことになってしまい、最終的には14位でのフィニッシュとなった。
「トリッキーなレースだった。それは低ダウンフォースで走ったからだけど、それはある意味とても楽しいことでもあった」
そうアルボンは語った。
「でも別の側面で言えば、特にセクター2を走るのはそんなに楽しくない」
「そこでは、タイヤを大きく劣化させてしまうだけだ。ウエットタイヤでもそれが見えていたし、かなりデグラデーションに苦しむことが予想されていた。でもミディアムタイヤでのデグラデーションには、ちょっと目を覚まされたよ」
「もうひとつの問題は、他のマシンとレースをするってことだった。基本的にはセクター2でプッシュしなければいけなかった。必要な場所でタイヤを労わろうとした途端に、ターン10や11、そしてターン12ですぐに攻撃を受け、追い抜かれそうになったんだ」
「前のポジションに留まるために、タイヤを酷使しなければいけなかった。そしてさらに性能が劣化してしまうという悪循環に陥ったんだ。そしてタイヤを労わろうとしても、そんなことは(ライバルに攻め立てられるから)許されないし、そんな自由もないんだ」
「カナダやオーストリア、シルバーストンとは状況が違った。これらのサーキットでは、コーナーでもタイヤを扱えると感じたんだ。でも今回はずっと、ライバルが僕の真後ろに迫っていた。だから、プッシュし続けなければいけなかったんだ」
アルボン曰く、レース途中に雨が降ったことでタイヤが冷え、グリップを取り戻すことができた瞬間があったと語った。
「とても興味深かったのは、雨が降り始めた時に、タイヤが冷えたことだ。そのおかげで、ドライコンディションの時よりもグリップ力が増したように感じた」
そうアルボンは言う。
「ドライの時よりもグリップが増し、それで実際にライバルを追い上げることができた。ペースも回復したんだ。このことは、どれほど(タイヤが)オーバーヒートを起こしていたかを示している」
次に好結果を期待することができるモンツァでのイタリアGPに向け、タイヤの使い方を改善する必要があると、アルボンは強調した。
「今週末はもっとうまくやれると思っていたから、悔しいね」
「そして、なぜ今週末これほど苦戦したのかを理解する必要があると思う」
「僕らのダウンフォースレベルは、モンツァでも同じようなモノになるだろう。そのモンツァが、次のポイントを獲得するチャンスになると思う」
「だから、僕らは今週末から学ばなきゃいけない。それで、自分たちに合ったコースに行った時に、二度と同じようなことを起こさないようにしなければいけないんだ」
ただアルボン曰く、スパでも直線スピードは優れていたと明かす。
「それはモンツァに向けてプラスなことだ。でも直線スピードは素晴らしいけど、それがタイヤをかなり劣化させてしまう。ダウンフォースが非常に重要なセクター2では、リヤタイヤに大きな影響を与える。基本的にはセクター2ではコーナーが連続していて、セクター3に行くまでタイヤをクールダウンさせることができない」
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