
<アムンディ・エビアン選手権 2日目◇28日◇エビアンリゾートGC(フランス)◇6523ヤード・パー71>
レマン湖を望むコースに西日が強く差し始めたなか、ド派手なプレーが飛び出した。馬場咲希(代々木高3年)が16番パー3でホールインワンを達成。「信じられない。一番幸せ!」。フランスでの戦いを、笑顔で締めくくった。
実測154ヤード。グリーン手前に池が待ち構え、この日のピン位置はグリーン左奥に切られた。9番アイアンでのティショットは、ピン右手前10メートルほどに着弾し、「狙い通りにいった」と傾斜を利用してカップ方向へ。そして、そのままボールが“消える”のを見届けると、「万々歳」でにっこり。中学生時代に1度経験はあるが、試合では自身初というエースを、海外メジャーという大舞台で披露した。
3オーバーの98位タイからスタートした2日目は、苦しい展開だった。7番でバーディが先行するも、続く8番はボギー、9番はダブルボギーと後退。そして14番のパー3ではアンプレヤブルの宣言を余儀なくされて『8』を叩き、トータル10オーバーまで一気にスコアを落とした。
だが、ひとつ戻して入った16番。グリーンが空くのを待つ間に、今回キャディを務める父・哲也さんと「ここホールインワンして、つぎバーディで、最後(パー5で)イーグルしかないね」と話をしていたという。それが“言霊”となった形。「とにかく信じられない」と、興奮は収まらない。
18番はパーとしたが、17番でバーディを奪い、最終的にはトータル6オーバー。カットラインに2打足りず、“大逆転”は叶わなかったが、記憶に残る一日になった。
「8を打った後も、いろいろ考えてやって、そしてホールインワンが出た。諦めないことが大事だなって。楽しかった。最高です!」
1週間のオフを挟み、次は今季メジャー最終戦「AIG女子オープン」(全英)。「全米女子アマ」覇者として、ここまでメジャー3試合に出場したが、すべてで週末進出を逃した。「今回また予選落ちしちゃったけど、めっちゃうれしい経験もできて、ゴルフって楽しいなって改めて思えた。次のAIGも楽しんで、次こそ予選通過できるように頑張ります」。次戦に意気込んだ18歳は、満足感とともに笑顔でコースを後にした。(文・笠井あかり)
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