
<アムンディ・エビアン選手権 事前情報◇25日◇エビアンリゾートGC(フランス)◇6523ヤード・パー71>
ペブルビーチを後にした畑岡奈紗が、気持ちを切り替えるまでには時間がかかった。「やっぱり悔しかったですし、終わってからも“もっとこうできたのかな”って考える時間は、やっぱり多かったです」。単独首位から逃げ切りを目指した前戦の「全米女子オープン」。同じ最終日最終組で回ったアリセン・コープス(米国)にかわされて4位タイで終え、念願のメジャー制覇は叶わなかった。
だが、日本のエースはすでに前を向いている。「それ(悔しさ)を生かしていくことでしか悔しさは晴らせないと思うので、そうできるようにしたい」。10年前にメジャー大会に昇格したばかりのエビアンは、「どっちかというとメジャーの感じがいい意味でないというか。前よりも普段通りできるようになったかな」と、リラックスして現地入りした。コースレイアウトの関係上変則な練習ラウンドとなる今大会で、火曜日は15番から9ホールを回った。
一時帰国した10日間は、「結構暑かったので、ガツガツ練習するというよりは、どっちかというと休みもとりながら練習していた」とリフレッシュをメインに充てた。休息の面でいえば、友人と栃木の中禅寺湖でカヤックをしたという。「ちょっと前からやってみたいなと思っていて、やっといけました」と、久々の息抜きも存分に楽しんだ。
「(メジャーで)唯一トップ10に入れていない」という戦い。今大会はメジャーのなかでは出場回数が最も少なく、過去に3度出場して最高位は15位タイ(2022年大会)。印象についても「コースが難しいなと思うところが多い。距離も長くて、ティショットで結構頑張って飛ばしても、200ヤード以上残ったりする」と、いいイメージばかりではないのが正直なところ。それでもフェアウェイの傾斜やグリーンのアンジュレーションをポイントに挙げながら、攻略を図る。
米本土での連戦をひと区切りし、迎えた欧州戦。エビアン、そして2週間後にはメジャー最終戦「AIG女子オープン」(全英)が待っている。目の前に見えた悲願達成に向けて。「残り2戦ですけど、しっかり頑張りたいなと思います」。ペブルビーチでの悔しさは、ヨーロッパで晴らしてみせる。(文・笠井あかり)
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