2025.7.8

小布施のベストシーズンは? 栗の旬や桜の見ごろなど

長野県の北東に位置する小さな町である小布施は、歴史的遺産や名産の栗を活かしたまちづくりを行っており、観光地としても注目を集めています。

せっかく小布施まで足を運ぶなら、「ベストシーズンを選んで満喫したい」と考える人も多いでしょう。小布施には季節に応じて楽しめる景色やグルメがさまざまなので、旅の目的に応じてベストシーズンも異なります。

そこで、この記事では小布施の季節ごとの魅力や、「桜を楽しみたい場合のベストシーズン」「栗のスイーツを楽しみたい場合のベストシーズン」など目的別のベストシーズンについて解説します。

目次

<1. 小布施ってどんなところ? 季節ごとの魅力をざっくり紹介>

<2. 小布施へのアクセス方法と混雑状況>

<3. 気温、天気をもとにした小布施のベストシーズン>

<4. 桜を楽しみたい場合の小布施ベストシーズン>

<5. 栗のスイーツを楽しみたい場合の小布施ベストシーズン>

<6. 温泉を楽しみたい場合の小布施ベストシーズン>

<7. 静かに街歩きを楽しみたい場合の小布施ベストシーズン>

<8. 小布施へはツアーが便利>

<9. 季節ごとの小布施の良さに触れてみよう!>

1. 小布施ってどんなところ? 季節ごとの魅力をざっくり紹介

小布施町

まずは小布施とはどんな町なのか、基本情報と季節ごとの楽しみ方について解説します。

小布施の基本情報

小布施町は県庁所在地である長野市に隣接した町で、長野県で最も面積の小さい自治体です。半径2キロメートルの中に全ての集落が入るほどコンパクトな町なので、町歩きがしやすい点も魅力のひとつです。

古くから農業が盛んな地域で、なかでも「小布施栗」は室町時代にはすでに栽培されていたとされています。小布施では扇状地の地形や気候条件を生かし、現在では栗だけでなくりんごやぶどう、さくらんぼ、梨、桃など、さまざまな果樹栽培も盛んに行われています。

中心地は町並み修景事業によって外観が整えられており、古くからの風情を残しつつも美しく整えられた景色も見どころのひとつです。歴史性を生かしたまちづくりも盛んで、浮世絵師の葛飾北斎の作品を展示している「北斎館」や、文化人として活躍した髙井鴻山(たかいこうざん)に関する資料を展示している「髙井鴻山記念館」など、文化施設も充実しています。

春の小布施の魅力

小布施は「花の町」とも呼ばれており、町の要所や各家庭など、さまざまな場所が四季折々の花で彩られています。とくに春は、千曲川(ちくまがわ)の桜堤で美しい八重桜の景色を楽しめるのが大きな魅力のひとつです。また、4月下旬には菜の花や桃の花、5月上旬にはりんごの花の見頃を迎えます。

夏の小布施の魅力

小布施の夏は、さまざまなイベントが開催されるのも魅力のひとつです。夏の風物詩といわれる「くりんこ祭り」や「小布施音楽祭」、小布施を見て楽しみながら走る「小布施見にマラソン」など、人気のイベントが数多く開催されます。また、直売所に並ぶ夏野菜や、8月に旬を迎える桃やネクタリンを楽しむのもおすすめです。

秋の小布施の魅力

小布施の秋は、栗やさまざまな果物が旬を迎え、栗菓子や栗おこわ、新栗を使用したモンブランなどのグルメを楽しめるのが大きな魅力です。とくに9月中旬から10月中旬は栗やぶどう、りんご、梨などの収穫時期で、「小布施六斎市」をはじめとした秋の味覚を楽しめるイベントも多く開催されます。また、10月下旬から11月初旬には美しい紅葉の景色も楽しめます。

冬の小布施の魅力

小布施の冬は、伝統行事である「小布施の安市」が有名です。「松本のあめ市」「上田の八日堂縁日」に並ぶ長野県の三大市のひとつで、だるまや縁起物などの販売や、だるまのお焚き上げ、稚児行列などが行われます。また、雪景色が広がるなかで日帰り温泉や立ち寄り温泉を楽しむのもおすすめです。

2. 小布施へのアクセス方法と混雑状況

小布施駅

小布施へのアクセス方法は、主に電車を利用する方法と車を利用する方法があります。ここでは電車でのアクセス方法と車でのアクセス方法について、それぞれ解説します。また、混雑状況や注意点も解説するのでぜひ参考にしてください。

電車でのアクセス

電車を利用する場合は、まずは長野駅へ向かいます。東京方面と金沢方面からは、それぞれ北陸新幹線を利用して長野駅へ向かいましょう。大阪方面からは東海道新幹線で名古屋まで行き、名古屋からは特急しなのを利用して長野駅へ向かいます。新潟方面からは上越新幹線で高崎まで行き、高崎からは北陸新幹線を利用して長野駅へ向かいましょう。

長野駅からは長野電鉄を利用し、小布施駅で下車します。

車でのアクセス

東京方面から車で行く場合は関越自動車道を利用し、藤岡JCTで上信越自動車道に乗り換え、小布施スマートICで下車します。

名古屋方面からは東名高速道路、大阪方面からは名神高速道路をそれぞれ利用してください。小牧JCTで中央自動車道へ、岡谷JCTで長野自動車道へ、更埴(こうしょく)JCTで上信越自動車道へ乗り換え、小布施スマートICで下車します。

新潟方面や金沢方面からは北陸自動車道を利用し、上越JCTで上信越自動車道へ乗り換え、小布施スマートICで下車します。

ただし、小布施スマートICはETC搭載車しか利用できません。ETC非搭載車の場合は須坂長野東ICまたは信州中野ICを利用しましょう。

混雑状況・注意点

小布施では、春から秋にかけての観光シーズンは渋滞や駐車場の混雑が予想されます。とくに秋の栗シーズンやゴールデンウィークは、多くの観光客で混雑するでしょう。混雑を避けるためには、平日や早朝、夕方などの時間帯に観光するのも方法のひとつです。混雑する時期や時間帯は車の利用を避けて、なるべく公共交通機関を利用するとよいでしょう。

また、冬の観光では積雪状況を考慮する必要があります。小布施の平均的な積雪量は5〜10cm程度とあまり多くないものの、車を利用する場合はスタッドレスタイヤの装着が推奨されています。ただし、市街地を走行する程度であれば四輪駆動車でなくても問題ないでしょう。

3. 気温、天気をもとにした小布施のベストシーズン

小布施町は内陸盆地に位置し、海洋の影響をあまり受けない内陸性気候が特徴です。最高気温は35℃、最低気温はマイナス15℃にもなり、夏は高温、冬は低温になりやすく、寒暖差が大きいのも特徴のひとつです。また、年間降水量が少ないため、乾燥しやすい傾向もあります。年間を通して降水量は少ないものの、6月から10月にかけては他の季節と比べて降水量が多くなります。

気温や降水量を踏まえると、春や秋はとくに観光しやすい時期であるといえるでしょう。ただし、各シーズンの特徴を踏まえて観光の計画を立てれば、どの季節でも小布施を楽しむことは可能です。ここではそれぞれの季節の特徴について解説します。

春(4月~6月)

小布施 春 桜

小布施の4月は平均気温が10.6℃で、肌寒い日も多いため服装選びに注意が必要です。とくに夜桜を楽しむ際にはしっかりと防寒対策をしておくと安心です。5月になると平均気温が16.4℃となり、だんだんと過ごしやすい気候となるでしょう。

6月は平均気温が20.4℃になり、日によっては夏日になることもあるため、暑さ対策が必要になるケースもあるでしょう。また、6月は4〜5月に比べて降水量が増えるため、雨にも気をつける必要があります。

  • 春の小布施の平均気温/10.6〜20.4℃
  • 春の小布施の平均降水量/56.9〜106.1mm

※「長野」における気象庁の平年値による平均気温、月降水量を参照(他季節も同)

夏(7月~8月)

小布施の小道 夏

小布施の夏は平均気温が25℃前後で、夏日になる日はもちろん、真夏日になる日もあり、暑い日が多くなります。しかし、ベタッとした暑さというよりはカラッとした暑さで、夜は涼しくなる場合が多いです。1日の気温差が大きく、昼間は暑くても、熱帯夜になることはほとんどありません。

強い日差しや紫外線対策として、外での観光の際には日傘や帽子、サングラスなどを用意しておくとよいでしょう。また、夜は内陸性気候の特徴として放射冷却で気温が下がりやすいため、薄手の羽織物などがあると安心です。

  • 夏の小布施の平均気温/24.3〜25.4℃
  • 夏の小布施の平均降水量/111.8〜137.7mm

秋(9月~11月)

小布施 秋 紅葉

小布施は海から遠く離れており山脈に囲まれているため、台風や低気圧の影響を受けにくいという特徴があります。台風の影響を受けやすい地域と比べると、小布施の秋の天候は安定しているといえるでしょう。

9月は残暑が続き夏日になる日も多い反面、内陸性気候のため寒暖差が激しく、朝晩は冷え込むことが多くなります。10月になると平均気温が14.4℃となり、日中も過ごしやすくなるでしょう。

10月には紅葉も始まり、11月初旬にかけて見頃を迎えます。11月になると平均気温が7.9℃となり肌寒い日が増えてくるため、紅葉を楽しむ際には防寒対策も必要です。

  • 秋の小布施の平均気温/7.9〜21.0℃
  • 秋の小布施の平均降水量/44.4〜125.5mm

冬(12月~3月)

小布施 冬 小布施浄光寺

小布施の冬は気温が低く、とくに寒さが厳しくなる1月の平均気温はマイナス0.4℃です。ただし、小布施の冬は降水量が少なく空気が乾燥しており、晴れの日が多いのも特徴のひとつです。積雪量も5〜10cm程度とあまり多くありません。

冬に小布施を観光する際には、最低気温が氷点下になることが多いため、しっかりと防寒対策をしておきましょう。積雪が予想される際には、スノーブーツなど歩きやすいシューズを用意しておくと安心です。

  • 冬の小布施の平均気温/マイナス0.4〜4.3℃
  • 冬の小布施の平均降水量/49.1〜60.1mm

4. 桜を楽しみたい場合の小布施ベストシーズン

小布施 桜 菜の花

小布施の桜の見頃は、4月中旬から5月上旬頃です。ソメイヨシノは4月中旬頃、遅咲きの八重桜は4月下旬から5月上旬にかけて見頃を迎えます。

小布施の桜の名所といえば、千曲川堤防の桜堤が有名です。千曲川堤防沿いに全長4kmにわたって約600本の八重桜が咲き誇り、美しくダイナミックな情景を楽しめます。小布施橋の下は菜の花畑が広がっているので、桜堤の景色とともに菜の花の鮮やかな黄色い花々を楽しむのもおすすめです。

千曲川沿いの堤防はサイクリングロードになっているため、美しい桜の情景を味わいながらサイクリングを楽しむのもよいでしょう。全長4kmの桜並木を歩いて散策すると1時間程度かかるところ、サイクリングであればゆっくり走っても15分から20分程度で端から端まで楽しめます。

また、毎年4月下旬には「境内アート小布施×苗市」というイベントが開催されています。玄照寺の境内や参道などで、桜吹雪が舞うなかでアートやパフォーマンス、クラフト、古本、食などを楽しめます。

5. 栗のスイーツを楽しみたい場合の小布施ベストシーズン

小布施 栗スイーツ モンブラン

小布施は「栗の町」として有名で、年間を通して小布施の代名詞でもある栗菓子を楽しめます。なかでも栗の収穫時期である9月から10月は、新栗を使用した期間限定の栗菓子を楽しめるため、毎年多くの人々が小布施を訪れます。

小布施栗は甘みが強く濃厚で、豊かな風味を感じられるのが大きな特徴です。奥深いコクも感じられ、焼いたり蒸したりするとホクホクとした食感になることから、さまざまな食べ方を楽しめます。江戸時代には幕府への献上品にもされており、小布施栗は古くから人々に愛されてきた歴史があります。

小布施には多くの栗菓子専門店が点在し、店ごとに工夫をこらしたさまざまな栗菓子を楽しむことが可能です。栗きんとんや栗ソフトクリームなどの定番スイーツや、新栗を使用したモンブラン、炊きたての栗おこわなど、絶品の栗菓子や栗料理を存分に楽しめます。

栗菓子は年間を通して楽しめるものの、風味豊かな新栗を楽しむのであれば、新栗が出回る9月から10月に足を運んでみましょう。

6. 温泉を楽しみたい場合の小布施ベストシーズン

温泉

温泉は年間を通して楽しめますが、とくに冬は冷たい外気と対照的な温かい温泉を楽しむのに最適な季節といえます。冬の小布施の美しい自然や穏やかな景色を楽しみながら冷えた身体を温泉で温めるのは、至福のひとときとなるでしょう。

小布施にはさまざまな宿がありますが、温泉旅館としては「おぶせ温泉 あけびの湯」が町内唯一です。高台にある宿なので、小布施町内や周囲の山々の美しい自然の景色を楽しみながら宿泊できます。露天風呂には寝風呂があるので、昼間は青空、夜は星空を眺めながらリラックスするのもよいでしょう。日帰り温泉もあるので、温泉だけを楽しむことも可能です。

また、日帰り温泉施設にはほかにも「おぶせ温泉 穴観音の湯」があります。観光客だけでなく地元や近隣の人々にも長く愛されてきた情緒ある温泉で、露天風呂や内湯、サウナ室から雄大な北信五岳の山並みを見ることが可能です。気軽に立ち寄れるので、旅の疲れを癒すのにぴったりです。

7. 静かに街歩きを楽しみたい場合の小布施ベストシーズン

小布施の町並み 冬

人混みを避けて静かに街歩きを楽しみたい場合は、観光客が少ないタイミングで出かけるとよいでしょう。小布施はとくに春から秋にかけて観光客が多く混雑するため、じっくりと町を散策したい場合は冬がおすすめです。冬の小布施は雪景色が広がり、観光客が少なく静かな雰囲気を味わえるので、ほかの季節とは違った楽しみ方ができます。

また、春から秋にかけての観光シーズンも、土日や祝日と比べると平日のほうがゆっくりと観光できるでしょう。人混みや行列を避けるには、午前中の早い時間や夕方以降の時間を有効に活用できるような計画を立てるのがおすすめです。

8. 小布施へはツアーが便利

小布施 街並み

小布施栗をはじめ、古くからの歴史や文化を感じられる町並み、千曲川堤防の桜堤など、小布施にはじっくりと味わいたいグルメや美しい景色が盛りだくさんです。訪れる季節によってもさまざまな楽しみ方ができるため、何度でも訪れたいと思わせてくれる魅力があります。

小布施への旅は、ツアーの利用が便利です。1泊2日や2泊3日など気軽に参加できるものから、5泊6日や6泊7日など小布施とその周辺地域をじっくりと楽しめるものまでさまざまなタイプがあります。日数が長いツアーには、志賀高原や軽井沢、草津などを一緒に楽しめるものが多いです。

小布施自体は小さな町なので、2日から3日程度のツアーでも十分に満喫することが可能です。小布施のグルメを楽しめるツアーや、ロープウェイやゴンドラを利用して紅葉遊覧を楽しめるツアーなど、季節や目的に応じてご自身に合ったツアーを見つけて楽しんでください。

時間と費用(目安)

交通手段:列車・バス
旅行日数:2~7日間
ツアー費用:約39,900円~約850,000円

>>小布施に関するツアー情報

9. 季節ごとの小布施の良さに触れてみよう!

美しい桜の景色を楽しめる春、人気のイベントが数多く開催される夏、旬の小布施栗や紅葉の景色を堪能できる秋、雪景色や穏やかな雰囲気を楽しめる冬と、小布施には季節によってさまざまな魅力があります。小布施に一度訪れると、「別の季節も楽しんでみたい」と何度も訪れたくなるかもしれませんね。

行きたいシーズンは見つかったでしょうか。旅の目的に合ったベストシーズンを選び、小布施への旅をお楽しみください。

出典: https://tabicoffret.com/article/82749/
この記事を書いた人 旅の基本情報お届け部

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