連載【私の好きな日本遺産】では、これまで全国を旅した経験の中から、筆者イチオシの日本遺産をピックアップし、その魅力や名残あるスポットをご紹介したいと思います。
第10弾は、天狗信仰が根付き、関東ハイカーのメッカでもある「高尾山」 です。
目次
- 歴史と信仰が織りなす高尾山「霊気満山」の名が語る奥深さ
- 自然・文化・絶景を満喫!王道ルートで楽しむ高尾山ハイキングガイド
- 高尾山から陣馬山へ 尾根道をつなぐ奥多摩縦走ロングトレイル
- 高尾山の登山前後に立ち寄りたい!山麓の立ち寄りスポット2選
歴史と信仰が織りなす高尾山「霊気満山」の名が語る奥深さ
高尾山は、東京都心から電車で約1時間とアクセスが良く、気軽に自然を満喫できる人気の登山スポットです。標高599メートルと初心者にも登りやすく、整備された登山道やケーブルカーを利用すれば、四季折々の美しい風景を楽しみながら山頂を目指せます。
高尾山の中腹に位置する薬王院は、古くから天狗信仰の地として知られ、境内には大天狗・小天狗の像が佇み、今もなおその信仰が息づいています。
そんな高尾山ですが、自然と信仰が融合する場所として高く評価され、2015年には「霊気満山 高尾山」として日本遺産に認定されました。
手軽に行けるのに、どこか神聖で奥深い、そんな魅力にあふれる高尾山は、都会の喧騒を離れて日常からリセットし、心身ともに整えたいときに訪れたい一座です。
自然・文化・絶景を満喫!王道ルートで楽しむ高尾山ハイキングガイド
高尾山の登山道の中でも、もっとも利用者が多いのが「1号路(表参道コース)」です。ケーブルカーやリフトの駅を起点に、薬王院を経て山頂へと続く全長約3.8kmのルートで、道幅が広く舗装されているため、登山初心者や観光目的の人にも安心して歩けるのが特徴です。
スタート地点の清滝駅から登り始めると、最初は緩やかな舗装道路が続きます。途中、ケーブルカーの終点・高尾山駅に合流し、展望の開けた「かすみ台展望台」では茶屋やビジターセンターがあり、ひと息つくのにぴったり。
そこから先は、天狗信仰の中心地・薬王院へと続き、杉並木や石段、朱塗りの門など、山岳信仰の雰囲気が感じられる道が続きます。薬王院を過ぎると、少しずつ自然味のある登山道に変わり、富士山を望める山頂に到着します。
ゆっくり歩いても片道約90分ほど。自然や信仰、眺望といった高尾山の魅力をバランスよく味わえるルートとして、多くの登山者に親しまれています。
高尾山
- 住所:東京都八王子市高尾町
- 公式サイト:高尾山
高尾山から陣馬山へ 尾根道をつなぐ奥多摩縦走ロングトレイル
高尾山から陣馬山へと続く奥多摩縦走路は、尾根伝いに複数の山を越えていく人気のロングトレイルです。高尾山の山頂を越え、小仏城山・景信山・明王峠などの稜線をたどりながら、最終目的地の陣馬山を目指します。
全長は約18km、標準タイムで6~8時間ほどかかるため、しっかりとした登山装備と体力が求められますが、尾根道が中心でアップダウンは比較的緩やか。
木々の間からは相模湖や奥多摩の山々が望め、晴れた日には富士山が顔をのぞかせることも。
途中の山頂や茶屋でこまめに休憩を取りながら歩けるため、自分のペースで無理なく歩き通せるのが魅力です。四季ごとに表情を変える自然と、緩やかに続く稜線の道のりは、関東近郊にいながら本格的な登山の醍醐味を味わえる好ルート。
景色の変化に富み、バス停のある陣馬高原下に着いたとき、達成感に満たされます。
陣場山
- 住所:神奈川県相模原市緑区澤井
- 公式サイト:陣場山
高尾山の登山前後に立ち寄りたい!山麓の立ち寄りスポット2選
有喜堂 本店 工場店
<高尾まんじゅう 1個150円>
高尾山麓でぜひ味わいたいのが、有喜堂の「高尾まんじゅう」。登山後の疲れを癒すためにぴったりの和菓子で、ふわっとした生地に甘さ控えめなあんこが包まれています。
高尾山の土産物店や茶屋で手軽に購入でき、登山者に愛され続ける一品です。
有喜堂 本店 工場店
- 住所:東京都八王子市高尾町2474
- 電話:042-665-2151
- 営業時間:9:00~17:00
- 公式サイト:有喜堂 本店 工場店
高尾599ミュージアム
そして、もうひとつ立ち寄りたいのが、自然や生態系を学べる「高尾599ミュージアム」です。展示は高尾山の動植物や保護活動に関する内容が豊富で、標本を通じて自然の魅力を深く理解できます。
登山の前後に立ち寄ると、山歩きの楽しさがさらに増しますよ。
高尾599ミュージアム
- 住所:東京都八王子市高尾町2435番3
- 営業時間:9:00~17:00(12月~3月~16:00まで)
- 入館料:無料
- 電話番号:042-665-6688
- 公式サイト:高尾599ミュージアム