2025.7.5

【鹿児島県】最果てロマン溢れる、本土最南端・佐多岬

九州最南端にして本土最南端といえば、鹿児島県は大隅半島にある佐多岬です。何もないけど、それがいい!最果てロマンの溢れる端っこスポット、佐多岬を目指してみましょう。

目次

日本の本土最南端はどこ!?

波照間島

日本の本土最南端

日本の地理的な最南端といえば沖ノ鳥島ですが、無人島であり、一般人が訪れるのは困難です。そのため、一般人が辿り着ける有人島としての日本最南端は、沖縄県の波照間島として広く知られています。

この波照間島へ行くには石垣島から船に乗るしか行く方法がなく、季節によっては運航率が低くなるため、実際に辿り着くのが難しい島としても知られています。

そもそも石垣島が離島であり、更にその先にある離島ということでまさに最南端にふさわしい島ですね。

潮岬

和歌山県、紀伊半島の潮岬

本州の最南端といえば和歌山県、紀伊半島の潮岬です。以前は潮岬への道のりは遠かったですが、近年は紀伊半島を一周できるような高速道路の整備が進んでいます。

まだ全線開通してませんが、かなりの距離を高速道路で走れるようになっており、潮岬へのアクセスは各段と向上しています。

とはいうものの、やはり紀伊半島自体が大きく時間は短縮されど距離は遠いです。冬でも暖かい潮岬は南の端であることを実感できるスポットです。

佐多岬

佐多岬

潮岬より位置的にさらに南側、日本の本土としての最南端といえば、九州の最南端でもある佐多岬です。

佐多岬は鹿児島県の大隅半島にあり、鹿児島市内の中心部からは車で3時間程はかかるような位置にあります。

佐多岬は霧島錦江湾国立公園の一部となっており、岬の先端部分は園地になっています。この本土最南端から先には島としての領土しかない、文字通り南の地の果てなのです。

佐多岬で南国の雰囲気を楽しもう

佐多岬ロードパーク

入口には印象的な本土最南端佐多岬と書かれたゲート

本土最南端の佐多岬へは町道佐多岬公園線、通称「佐多岬ロードパーク」と呼ばれる観光道路を通っていきます。その入口には印象的な本土最南端佐多岬と書かれたゲートをくぐります。

元々この道路は有料道路でしたが、現在は無料で通行できるようになっています。そもそも佐多岬の観光開発が始まったのは国立公園に指定された昭和30年代後半のこと。

有料道路を建設したのは鹿児島県内で観光や交通事業などを手がける「いわさきグループ」ですが、年々減少する観光客、施設などの更新に多額の費用がかさんで、平成24年に佐多岬関連の道路や施設を地元自治体へ譲渡した形になっています。

佐多岬へと向かう道は南国的な植物が生い茂るジャングルの中のような雰囲気

佐多岬へと向かう道は南国的な植物が生い茂るジャングルの中のような雰囲気!ただ走るだけでも最南端を味わえることでしょう。

ジュマルの木、カーテンのようにダラリと垂れ下がっている

特に車を走らせている中で目に入ってくるのが、沖縄でもよく見かけるガジュマルの木。気根と呼ばれる根が枝からカーテンのようにダラリと垂れ下がっているところを車が通り過ぎていくのです。まるでテーマパークのジャングル系ライドのような気分ですね。

北緯31度線のモニュメント

佐多岬駐車場の100m手前にある北緯31度線のモニュメント

そんな南国ムードはどこから生まれるのか?を理解させてくれるのが佐多岬駐車場の100m手前にある北緯31度線のモニュメントです。

北緯31度線のモニュメント

北緯31度線が世界的にどんな都市を貫いているのかというと中国は上海、アメリカは南部ルイジアナ州のニューオリンズ、エジプトはカイロといったあたりです。

佐多岬への案内

北緯31度線のモニュメントが終着点ではなく、佐多岬駐車場100m先と書かれていますので記念撮影を終えたら先へ進みましょう。

佐多岬駐車場

佐多岬への道路の終着点には広々した無料の駐車場

佐多岬への道路の終着点には広々した無料の駐車場があり、小さいながらも観光案内所兼売店やトイレも完備しています。売店ではコーヒーやソフトクリームも販売しています。

最南端に関連したグッズや地元産品のお土産などもありますので要チェックです。外には休憩所もあるのでひと息つくのにはもってこいですね。

佐多岬駐車場 ガジュマルの木

佐多岬駐車場にはここまでの道のりにも見られた、大きなガジュマルの木があります。ひときわ大きなガジュマルですのでかなり目につく存在です。

佐多岬駐車場 カジュマル

この根元には「本土最南端佐多岬」の立て札があります。これはかつて岬の先端に置かれていたもので、現在はリニューアルした最南端の碑が置かれています。

展望スペース

駐車場を取り囲むように遊歩道が張り巡らされ、展望スペースも設けられています。展望スペースには東家が設置されており、ここでものんびりと過ごすことができます。

展望スペース

展望スペースからは佐多岬の先端が眺望でき、この先に繋がる遊歩道の終着点である展望台の姿も確認することができます。

佐多岬展望台、最南端の碑を目指せ

佐多岬駐車場脇道

佐多岬観光のメインでもある、佐多岬展望台を目指します。出発点の佐多岬駐車場脇にあるトンネルをくぐれば、展望台への遊歩道が続いていき、距離にして約800m程で普通に歩けば15分程度でしょうか。

多少のアップダウンはあるものの、近年再整備されたような歩道は基本的に歩きやすく、バリアフリーな遊歩道になっています。

御崎神社

本土最南端の神社、御崎神社

遊歩道の道中で見えてくるのが本土最南端の神社、御崎神社です。赤い屋根が特徴的でなんとも南国的な構えの社殿が目を引きます。

本土最南端の神社、御崎神社

縁結びにご利益ありとのこと、祈願していきましょう。意外にもこの神社の歴史は古く、708年の創建という由緒ある神社だったりします。

本土最南端の神社、御崎神社 木

境内、参道もやはり南国ムードがただよっており、鳥居の前にはこれまた大きなガジュマルの木がお出迎え。

御崎神社の周辺のカジュマル

そして参道には道を遮るように横へと伸びたソテツがあったりするなど、ジャングルの中の神社といった雰囲気です。まさに生命力に溢れるパワースポットといったところでしょうか。

佐多岬展望台

遊歩道

御崎神社への寄り道をしつつ、さらに遊歩道を先へと進んでいきましょう。遊歩道をさらに佐多岬先端方面へと進んでいけば、やがてスロープが見えてきます。これが展望台への最後のアプローチになります。

リニューアルされた佐多岬展望台

何度かの切り返しを経て、高台へと到着します。ここにはリニューアルされた佐多岬展望台が鎮座しています。まずは階段で展望台屋上へと足を運びましょう。

佐多岬展望台からの景色

灯台をモチーフにしたようにも思える白亜の展望台はシンプルな造りですが、ここからの眺めは抜群。

佐多岬展望台からの景色

南は島々が連なる南西諸島しかなく、水平線の大パノラマが広がっています。天気が良ければ種子島や屋久島、硫黄島なども視界に入るのだとか。

佐多岬展望台からの景色

右手を見れば開聞岳の美しい三角形が見えています。しばしの間、ここに立って最南端の気分を味わいましょう。

佐多岬レリーフ

足元には端っこスポットにありがちな地図のレリーフもあります。本土最南端をとりまく位置関係を確認したい方はこちらをご覧ください。

佐多岬展望台の1Fスペースは休憩所

佐多岬展望台の1Fスペースは休憩所になっています。

佐多岬展望台の休憩所からの景色

展望台の周囲はテラスになっていて、ここからも眺望を楽しむことができます。

佐多岬展望台の休憩所

佐多岬展望台から少し道を下った所にも広場に、「老いらくの恋」で知られる歌人の川田順の歌碑。

川田順の歌碑や本土最南端・佐多岬の石碑

本土最南端・佐多岬の石碑。セルフ撮影用のカメラ台も用意されていますので、最南端到達の記念撮影は忘れずに!

端っこ地図レリーフ

小さな縁結びの神の祠や展望台のリレーフとは、少し違うタイプの端っこ地図レリーフもあったりします。

灯台守広場

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本土最南端・佐多岬の碑からさらに進むと、灯台守広場という場所に辿り着きます。おそらく、ここが一般の人が立ち入れる本土最南端であり、それより先へ進むことはできません。

灯台守広場

灯台守広場

灯台守広場 官舎の遺構

灯台守広場にはかつての官舎の遺構が残っています。灯台はこの先の大輪島にありますが、生活拠点は本土側に置かれていたのです。灯台と官舎の間はゴンドラで行き来していたそうです。

佐多岬灯台の歴史

佐多岬灯台は慶応2年に江戸幕府と英蘭仏米四か国との間で結ばれた江戸条約に基づいて設置された8つの灯台の1つです。設計は日本の灯台の父ともいわれるイギリス人土木技術者、リチャード・ヘンリー・ブラントンによるもの。

明治8年に最初のあかりを灯した西洋式の灯台だったのですが、昭和21年の空襲により大破してしまい、現在の灯台は昭和25年に再建されたものになっています。さらに平成21年には太陽電池化されていて、エコな灯台にもなっています。

最南端の地で海上安全に尽くしていた人たちに思いを馳せ、ここからの景色を楽しみましょう。ここまで辿り着くのは容易ではありませんが、その分たっぷりと味わえる最果てロマンを存分に味わってみてください。

佐多岬展望台

  • 住所:鹿児島県肝属郡南大隅町佐多馬籠416
  • 電話:0994-27-3151(佐多岬公園観光案内所)
  • 駐車場:あり(無料)
  • 公式サイト:佐多岬 

アクセス:鹿児島空港から車で約2時間30分、志布志港から車で約2時間

本土最南端グルメは本土最南端の道の駅で

本土最南端の佐多岬周辺は市街地から離れており、昼食をとろうにもなかなか難しいロケーションになっています。

道の駅根占

そんな中、おすすめなのは佐多岬から車で約40分の「道の駅 根占(ねじめ)」です。ここは本土最南端の道の駅でもあり、目の前がビーチであり対岸には開聞岳も見えるという素晴らしいロケーション。

道の駅内レストラン 海鮮丼や刺身定食など

道の駅内にはレストランがあり、海鮮丼や刺身定食など地元で捕れた魚をいただけます。九州の甘い醤油もビンで提供されます。味が気に入ったら売店で買って帰るのもアリですね。

なかなか見慣れないお土産も揃っていますのでぜひ覗いていきましょう。

道の駅 根占

  • 住所:鹿児島県肝属郡南大隅町根占山本6868
  • 電話:0994-24-5113
  • 公式サイト:道の駅根占 

※記載の情報は2025年6月現在のものです。最新情報は公式HPをご覧ください。

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出典: https://tabicoffret.com/article/82759/
この記事を書いた人 bow

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