こんにちは、たびこふれライターのえいたです。
今回、私は山形県の鶴岡市に行ってきました。鶴岡市は日本海に面し、江戸時代には鶴岡藩(庄内藩)の城下町として栄え、郊外には庄内米やだだちゃ豆、庄内柿の農地が広がるところです。その鶴岡市郊外で柿の収穫を体験するツアーに同行する機会がありましたので、その様子をお伝えしたいと思います。
また、鶴岡市は2014(平成26)年に日本で初めてユネスコ食文化創造都市に認定されており、代表的な食文化の1つとして「つるおか伝統菓子」がある食の楽しみもあるところです。
目次
- 庄内柿ってどんな柿
- 鶴岡市内の柿農家で収穫体験
- 山形といえば芋煮、庄内芋煮は味噌味だった
- 庄内地方は米どころ、2種類のお米を食べ比べ
- 伝統菓子の笹巻を作ってみた
- 米どころに美味い酒あり
- 鶴岡市内中心部を散歩してみた
- 最後に
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庄内柿ってどんな柿
庄内柿という名称は庄内地域でとれる柿のブランド名で、主な品種は『平核無(ひらたねなし)』という四角い種無し柿です。平核無は渋柿なので炭酸ガスやアルコールなどで渋抜き作業を行ってから食べられるようになります。
庄内柿の産地は、山形県の日本海に面する庄内平野の鶴岡市や酒田市が中心になります。庄内柿の始まりは明治の中頃に遡ります。旧庄内藩士の酒井調良が普及に大きく関わっています。
現在では山形県内の約8割の柿が庄内地方で生産されており、その約6割が北海道へ向けて出荷されているとのことです。
実は私、柿が苦手だったのですけど、庄内柿を食べてみて「柿ってこんな味だったっけ!」というのが第一印象なほどでした!
滴るほどではないけど適度な水分に、さくっとした歯ごたえ、しつこくないけどしっかりとした甘さ、食べず嫌いでこれまでの人生でほとんど口にしていなかったことを後悔した瞬間でした。
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鶴岡市内の柿農家で収穫体験
今回、私は首都圏から収穫体験ツアーのお客さんに交じって、鶴岡市の羽黒地区にある岡部順さんの農園で柿の収穫の体験をしました。
岡部さんから収穫時期を迎えた柿の見分け方や柿のもぎ取り方を教わり収穫開始です。
自分の背が届かないところは脚立に乗って作業を行いました
枝から切り取った柿は、コンテナに詰めた時に他の柿が傷つかないようにヘタの根本から再度鋏を入れます
木からもいだ柿は、肩掛けカバンに入れます。その数が増えてくると肩にずっしり重さが食い込んできます。
鞄がいっぱいになったらコンテナケースに積みかえます。この作業を繰り返してゆきます。
休憩時間は岡部さんを囲んでの談笑タイム。
ご自宅の庭で果物の木を育てている方は美味しい実がなる育て方を聞いたり、柿のおいしい食べ方や料理のレシピを伺ったり、楽しい時間が過ぎていきました。柿栽培の苦労したことや楽しさを面白く分かりやすく話してくれる岡部さん。心から柿が好きなんだなぁ、と思いました。
今年の柿の出来はいかがですか、と岡部さんに伺いました。去年の柿はこれまでのどの年の柿よりも出来が良かったけど、今年の柿はそれを大きく上回っている最高の柿だそうです。
今回は収穫体験でしたが、収穫までの苦労を伺うとその美味しさはひとしおでした。
収穫後の枝葉の剪定作業、開花後の摘花、定期的な実の大きさの測定は全てが手作業とのことで、栽培されている木の数、1本の木あたりに実る実の数に延べ何人の人の手がかかっているのだろうと想像してしまいました。
岡部さんはこうも仰ってました。
「よりおいしい柿を生産して消費者に喜んでもらいたいのはもちろん、美味しくて儲かる柿を作って後継者を育てたい、柿づくりは儲かるんだってことが後継者を増やす道なのだと。だから、よりよい柿を作ることに全力を傾けているのです」
ああ、この人に作ってもらった柿は幸せだなぁ と思いました。
<岡部順さん>
山形といえば芋煮、庄内芋煮は味噌味だった
山形の秋を代表する郷土料理のひとつに芋煮があります。9月から10月にかけて、山形県内の河川敷に仲間同士が集まって鍋を囲みます。
山形市など内陸の芋煮は牛肉を使用した醤油味なのですが、庄内地方は豚肉を使用する味噌味なのが特徴です。庄内地方は養豚が盛んだからという豚肉説がありますが、山形県で養豚を始めたのは酒井調良なのだとか。
今回は、鶴岡フードガイド事務局の方のご指導者のもと、庄内風の芋煮作り体験をしました。
手際よく材料に包丁を入れていきます。
丁寧に灰汁をとっていくと
庄内風芋煮の完成です。
レシピや作り方などの詳しくはつるおかおうち御膳公式サイトをご覧ください。
>>作り方はこちら
庄内地方は米どころ、2種類のお米を食べ比べ
今回はつや姫と雪若丸を食べ比べました。
米どころといわれる山形県のお米がおいしくないわけはありません、芋煮と一緒にいただきましたが久々においしいご飯を食べたと実感しました。
つや姫は、日本のおいしいお米のルーツ「亀の尾」の系譜だそうです。際立つ「粒の大きさ」、「白い輝き」「旨さ」、「香り」、「粘り」を持ち合わせたブランド米です。雪若丸はしっかりとした粒感と際立つ白さとつやのある外観が雪のように美しいことから名づけられたとか。
私は産直のお店で購入と同時に精米をしてもらったつや姫を持ち帰り、自宅の炊飯器で炊いてみましたが普段食べているお米と全くおいしさの違いに驚きました。
今後の旅では土産にお米を買って食べ比べようと思っています。
伝統菓子の笹巻を作ってみた
芋煮体験と同時につるおか伝統菓子のひとつである笹巻も作りました。
笹巻はもち米を笹の葉に包んで煮て作られる粽(ちまき)の一種で、鶴岡市で作られる笹巻は、水に木灰を加えて煮た上澄み液である「灰汁(あく)」にもち米を浸漬してから煮て作られることが特徴なのだそうです。
笹巻はお土産で持ち帰って食べました。
笹巻について詳しくは 鶴岡市の「笹巻」が文化庁の「100年フード」に認定されましたをご覧ください
米どころに美味い酒あり
米どころというと、やはりお酒ですよね。鶴岡市内には7つの酒造メーカーがあるそうです。
今回はそのうちの3つのお酒を買って帰りました。お正月に飲もうかと我が家の冷蔵庫に眠っています。
鶴岡の酒蔵について詳しくは 鶴岡酒蔵案内の公式サイトをご覧ください。
>>鶴岡酒蔵案内の公式サイトはこちら
鶴岡市内中心部を散歩してみた
JR鶴岡駅から徒歩で30分ほどにある鶴岡公園周辺は、鶴岡藩時代からの建物や城址公園になっていて市民の憩いの場にもなっています。
<致道館西御門>
文化2(1805)年、酒井家九代目の忠徳公が創設した藩校です。
<藤沢周平記念館>
鶴岡市出身の時代小説家である藤沢周平の自筆原稿や創作資料などを展示しています。
<大寶館>
大正天皇の即位を記念して大正4(1915)年に建てられたレトロな洋風建築物。明治の文豪、高山樗牛や松森胤保など鶴岡ゆかりの人物の資料を展示しています。
<致道博物館 旧鶴岡警察署庁舎>
庄内藩主酒井家の御用屋敷地だった場所に立つ博物館で、国指定重要文化財の旧西田川郡役所や、旧渋谷家住宅(多層民家)、旧鶴岡警察署庁舎などが見学できます。
今回観光したところを以下マップにてまとめましたので、よかったらご覧ください。
最後に
いかがでしたでしょうか。
よくある観光ツアーとは違って、柿の収穫体験を旅先でするなんて非日常体験ですよね。参加された他のお客さんは口をそろえて、楽しかったとおっしゃっていました。それだけえではなく、「普段の生活の中で農家の方と話す機会がないけど、食べ物のありがたみを改めて感じた」、「これからはもっと食べ物を大事にしなきゃ」と、おっしゃる方もいらっしゃいました。
柿のほかにも芋煮や地域産のお米に笹巻など、そのルーツやエピソードを伺うにつけ鶴岡・庄内の食をより身近に感じる旅となりました。
旅と食、切っても切れない間柄ですね。
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