近年のトヨタ車の多くには、ディスプレイオーディオが標準装備、あるいはメーカーオプションとして設定されている。ナビゲーション機能やスマートフォンとの連携など、利便性は非常に高い一方で、音質に関して物足りなさを感じるドライバーは少なくない。純正システムはスピーカーやアンプの交換が難しく、市販のカーオーディオシステムへ手軽に変更できない構造になっていることが大きな原因だ。お気に入りの音楽をドライブ中に楽しもうとしても、ボーカルの声がこもって聞こえたり、低音の迫力が不足していたりといった不満を抱えながら運転しているオーナーは多い。 こうした純正オーディオの音質に対する潜在的な不満や悩みを解決するための手段として注目されているのが、デジタル・シグナル・プロセッサー、いわゆるDSPの導入である。しかし、従来のDSPは機器そのものが高額であったり、専門知識を必要とする複雑な音響設定が求められたり、あるいは配線作業が難解であるといった理由から、一般のユーザーにとってはハードルが高いものとされてきた。そうした効果への疑問や導入の難しさを一挙に払拭し、お手軽かつ劇的に高音質をアドオンできる新製品が今回紹介するケンウッド「KXC-AH100T」だ。
手軽にDSPをアドオンできる「KXC-AH100T」の先進性と主要スペック
JVCケンウッドが開発した「KXC-AH100T」は、外形寸法が幅145ミリメートル、高さ50ミリメートル、奥行き137ミリメートル、質量660グラムと手のひらにのるほど非常にコンパクト。この製品は、全国のオートバックスにおいて先行販売が開始されたモデルであり、トヨタの純正ディスプレイオーディオ装着車をターゲットに開発された音質向上用の拡張キットである。その最大の特徴は、同社の高性能カーナビゲーションである彩速ナビのフラッグシップモデル「TYPE M」に相当する、多彩で高度な音響設定機能を備えている点にある。
本体には高MIPS処理DSPを搭載し、マルチコア構成で膨大な音響処理を高精度に実行する。また、高性能DAコンバーターを採用し澄んだ音を創出する。さらに、独自の高音質化技術「K2テクノロジー」を搭載しており、圧縮音源で失われがちな高音域を補間しオリジナルマスターに近い鮮やかなサウンドを再現する。またアンプとしての実力も十分であり、最大出力は50ワット、定格出力は29ワットの4チャンネルアンプを備える。接続は車両側の純正カプラーと付属の電源・スピーカーケーブルをカプラーONするだけ。複雑な配線加工を必要とせず安心して取り付けられる。そのため、シート下やダッシュボード内部などの狭いスペースへ容易に設置が可能だ。また、手元で操作できる2.4インチ液晶付きワイヤードリモコンを付属。設定内容を確認しながら直感的に調整できる。
純正DA(ディスプレイオーディオ)に比べると格段に広い音域に対応していることがわかる。
音楽プレイヤーのようなコントローラーで手元でいつでも音質の調整が可能だ。また、音質スペシャリストがチューニングした車種別設定データがプリインストールされており、ノアやヴォクシー、アルファード、プリウスなど主要なトヨタ車14車種に対応する。またマイクロSDカードスロットを装備しており今後の車種追加データもアップデート可能だ。拡張性も高く、側面のRCA出力端子に別売のサブウーファーを追加して重低音を強化できるほか、HDMI入力1系統と出力2系統を備え、車内の映像中継器として市販のリアモニターへ高画質な映像を出力できるため、後席でも上質なサウンドと美しい映像を同時に楽しめる。
プロがチューニングしたプリセットデータで手軽に最高の音を得ることができる。
もちろんHDMIなどの入出力に対応。車内が究極のエンタメ空間に変貌する。オートバックス店舗スタッフが語る本製品の魅力
全国のオートバックスで先行販売が展開されている本製品について、店舗の販売スタッフは次のように太鼓判を押した。
「これまで純正のディスプレイオーディオは音質のカスタムは困難だったのですが、KXC-AH100Tは純正ディスプレイオーディオの洗練されたデザインを一切損なうことなく、つないだ瞬間にクルマの音響空間を劇的に改善できます。」
「これまで高音質化を諦めていたトヨタ車ユーザーに対して、手頃な予算で確実な効果を実感できるアイテムです。」
特に配線がカプラーONで完結する点や、最初から14車種の専用チューニングデータがインストールされているため、取り付け直後から専門知識なしで最高級のサウンドが手に入る点が、DIYユーザーはもちろん、PITでの取り付け時も時間が短縮され、その結果工賃を大幅に抑えられるなど、ユーザーにとってメリットが多いと語った。
近年採用が多いディスプレイオーディオ搭載車種は「音」に対する不満も多く、だれにでも潜在的なニーズがある商品だとか。MOBILA編集部&のんちゃんRによる実機チェック
今回は実際に本機が装着されたトヨタ・ヴォクシーを用いてその実力をチェックした。インプレッションには当企画おなじみのインフルエンサー「のんちゃんR」も同席。スマート&シンプルに取り付けできる最新DSPの実力を評価した。システムを起動し、リモコンで該当する車種の設定を選択した瞬間、純正オーディオとは明らかに異なる次元のサウンドが広がった。特にすべての音が粒だった感覚であり、プリインストールされた車種専用設定にはデジタルタイムアライメントが含まれ、スピーカーから耳に届く音のタイミングが正確に補正されているとのことだ。これにより、ダッシュボード中央にアーティストが立っているかのようなリアルな音像が浮かび上がる。フロントフォーカス調整機能も有効に作用し、ライブ会場の最前列にいるような臨場感が得られた。
当企画ではおなじみののんちゃんRも音の違いにはびっくり!
車種はもちろん、グレードによるスピーカー構成も網羅。さすがプロのチューニングである。また、スマートフォンから再生した圧縮音源は、純正の平坦な高音域からみずみずしく艶やかな質感へと変化した。シンバルの余韻やギターの響きがクリアに聴き取れ、ボーカルの息遣いが生々しく伝わる。13バンドイコライザーやクロスオーバー調整、ホールシミュレーションも、液晶画面を見ながら手元で微調整できるため、専門知識がなくても直感的に好みの音場を作ることができる。
細かく音楽をチューニングできるので気分はまるでクラブDJだ。
これらの高性能が片手に収まるコンパクトボディに収まっているというから驚きだ。軽さと高音質を両立したDSPの新基準
純正ディスプレイオーディオの交換が難しいトヨタ車オーナーにとって、本機はカプラーONというシンプルな方法で音響環境を劇的に引き上げることに成功している。難解で高価というイメージの強かったDSPの世界を、14車種の専用データと液晶付きリモコンにより、誰でも簡単に扱える身近な存在へと変えた意義は大きい。
高性能デバイスやK2テクノロジーがもたらすサウンドは、毎日のドライブを上質な体験へと変貌させる。また、HDMI入出力やRCA出力端子による拡張性は、将来的なリアモニター追加やサブウーファー増設の楽しみも提供する。「つないだ瞬間、クルマが変わる」というキャッチコピーの通り、オーディオ環境に悩むすべてのオーナーへ推奨できる新時代のシステムである。


取材協力店舗
スーパーオートバックスかしわ沼南
住所:千葉県柏市風早1-3-13
電話番号:04-7192-4000
駐車場台数:698台
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