2026年の年始、関東地方では平野部を含む広い範囲で積雪が観測され、交通の乱れやスリップ事故などがニュースで多く報じられたのは記憶に新しいのではないでしょうか。関東では1月から2月にかけて降雪の可能性が高くなり、2024年は2月5日~2月6日に大雪が降った事もあり、まだまだ予断を許さない状況です。このように積雪や凍結が予想される場合、高速道路や主要幹線道路を中心に融雪剤(凍結防止剤)が散布されます。融雪剤は、我々ドライバーが安全に走行できるように散布されるものですが、実は車体に付着した融雪剤を放置すると金属部品の腐食などにつながる可能性があるのです。
本記事では、融雪剤の基礎知識から車への影響、雪が降った「後」に行うべき洗車方法について詳しく解説します。
目次
1.そもそも融雪剤ってどんなもの?
融雪剤とは、路面の凍結防止や積雪の除去を目的に散布される薬剤で、文字通り路面上の雪を溶かす効果のある薬剤のこと。凍結防止効果もあるため、積雪が予想されたり凍結が予想される場合は降雪の前から事前に散布されるのを多く見られます。冬の安全運転に欠かせない融雪剤ですが、一体どのような成分なのでしょうか。
融雪剤が散布された路面の様子日本で使用される融雪剤の代表的なもの
・塩化ナトリウム
・塩化カルシウム
・塩化マグネシウム
これらの成分によって作られた融雪剤は水に溶けることで凝固点を下げ、氷や雪を溶かす性質を持ちます。凝固点についてわかりやすく解説をしてみましょう。水は零度になると氷になります。これは自宅の冷蔵庫で製氷する際にもよく目にする現象なので皆さんにもなじみ深い現象でしょう。この水に食塩などの不純物が混ざった場合、零度以下の一定の温度にならない限り凍結しないという性質があります。この性質を利用したのがまさに融雪剤なのです。融雪剤は国道や高速道路だけでなく、山間部や市街地の交差点、橋梁部でも使用されます。
積雪・凍結が予想される場合に散布されるため、実際には積雪が無い場合でも散布されているというケースもしばしば見受けられます。
これら融雪剤に共通しているのは「塩化物」。塩は水分と結びつくことで金属の腐食を促進する性質があるのは誰もが知っていることでしょう。これこそが融雪剤が散布された道路を走行した後に洗車が必要な理由であり、冬は洗車に気を配った方がいいという最大の理由なのです。
特に融雪剤が散布された道路を走行した後は愛車以下の影響が懸念されます。
・フロア下部や足回りの金属部品の腐食
・ボルト・ナット類の錆の進行
・ブレーキ周辺部品への付着
・排気系部品への影響
このような箇所に融雪剤が付着したのをそのまま放置すると酸化・腐食が進み、最悪の場合愛車に錆が発生してしまうことも…ではいったいどのようなタイミング・手順で洗車をすればこのようなリスクを最小限に抑えることができるのでしょうか?詳しく次項にて解説します。
融雪剤が付着した状態を放置すると腐食の原因となるので、早めの洗浄が必要です。
路面に散布された融雪剤は走行中に巻き上げられ、フロア下部や足回りに付着しやすい状況に。
ホイールの裏側は視認しづらく、融雪剤が残留しやすい場所のひとつ。
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2.融雪剤対策として正しい洗車のタイミングとその手順
融雪剤が散布された道路を走行した後、どのようなタイミング・手順で洗車をすればよいのでしょうか?融雪剤散布路走行後、雨の中走ったから大丈夫!…と考える人もいるかもしれませんが、実はこれもNG。雨天走行だけではこれらの部位に付着した融雪剤を十分に除去できない場合があり、洗車による洗い流しは極めて重要です。融雪剤対策の洗車は、雪道を走行した後、可能な限り早いタイミングが適しています。
融雪剤対策では、ブラッシングよりも十分な水量による洗い流しが重要とされています。下回りを中心に水をかけ、融雪剤を流す雪道走行後の洗車の主な手順は以下の通りです。
①フロア下部およびホイール・タイヤ周辺をたっぷりの水で徹底洗浄
②ボディ全体を上から下へ水洗い
③カーシャンプーを使用した洗車
④すすぎ洗いと適切な拭き取り
⑤仕上げ
融雪剤対策では、こすり洗いよりも水量を確保した洗い流しが効果的とされています。
①フロア下部およびホイール・タイヤ周辺をたっぷりの水で徹底洗浄
雪道や融雪剤が散布された道路を走行した後の洗車で最も重要な工程です。可能な限り強い水圧でフロア下部を洗浄し、付着した融雪剤を除去するのが良いでしょう。
この工程では高圧洗浄機や散水パターンを変更できるシャワーノズルのついたホースを用いると便利です。とくにフロア下部の排気管やドライブシャフトといった排気・駆動系部品、サスペンションやアーム、ブレーキディスクやホイールといった足回りは重点的に洗浄を行うと良いでしょう。
②ボディ全体を上から下へ水洗い
この後の洗車の工程は一般的な洗車と大きく変化はありませんが、融雪剤はボディへの腐食も懸念されるため、たっぷりの水量で洗浄をすると良いでしょう。この際、強い水流というよりはたっぷりの水量で「洗い流す」イメージの方がボディに付着した融雪剤や汚れが効率的に除去できるでしょう。 雪道走行後はボディ表面はもちろん、ドアやボンネット、給油口の隙間やルーフ付近の溝などにも汚れや融雪剤が付着している可能性があるので、重点的に洗浄すると良いでしょう。
③カーシャンプーを使用した洗車
カーシャンプーを使用して通常の洗車を行います。この際、上(ルーフ)からボンネット・トランク、ボディ側面と徐々に下へ移動するように洗車するとスポンジや洗浄液が汚れにくく、効率的に行えます。
④すすぎ洗いと適切な拭き取り
残った洗浄液をしっかりと洗い流します。とくに、ドアやボンネット、給油口の隙間やルーフ付近の溝などは洗浄液が残りやすいので重点的に洗い流すようにします。この際も強い水流ではなく、たっぷりの水量でしっかりと洗い流すことが重要です。すすぎ洗いが完了したら水滴拭き取り用のマイクロファイバータオルや給水タオルを用いて水滴をしっかり拭き取りましょう。
⑤仕上げ
仕上げに好みのワックスやコーティング剤といったボディ仕上げ剤を施工して完成です。これらの仕上げ材はボディの色ツヤを美しく見せるだけでなく、次に汚れや有害物質がボディに付着した際に除去しやすくする効果があります。仕上げ材の種類によってその効果は異なるのでパッケージや説明文を参考によく確認してから購入すると良いでしょう。
雪道走行後はフロア下や足回りを徹底的に洗浄すると良いでしょう。
コーティングは色ツヤを向上させるだけでなく、塗装面保護の効果もあるので積極的に活用しましょう。 ADVERTISEMENT
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3. 洗車機で行う融雪剤対策
洗車機は短時間で車両全体を洗浄でき大変便利ですが、一般的な「水洗いコース」の洗車ではフロア下部や足回りといった融雪剤が付着しやすいポイントの洗浄には対応していないことがほとんどです。近年は「下部洗浄」や「ホイール洗浄」といったオプション機能を備えた洗車機も普及しているため、雪道を走行した後はこうしたオプションを選択し、洗浄すると良いでしょう。
近年は下回り洗浄などのオプション機能を備えた洗車機も増えているので活用しましょう。融雪剤対策としては、環境や走行条件に応じた使い分けが合理的です。気温が低く短時間で済ませたい場合は洗車機、融雪剤の付着が多く、フロア下部や足回りの洗浄をを重視した場合は手洗いがおすすめです。また、車体の腐食は融雪剤だけでなく、海岸沿いを走行した後や悪路を走行した後にも発生しやすいため、日ごろから予防的に洗車機の下部洗浄を併用しても良いでしょう。
4.まとめ
いかがだったでしょうか。雪道や融雪剤散布路を走行した後は、可能な限り早く洗車を行うことが良いとされています。融雪剤は冬季の安全な道路環境を支える一方、車両にとっては腐食リスクを高める要因となります。
雪が降った「後」に適切なタイミングで洗車を行い、特に下回りを中心に融雪剤を洗い流すことが、車両を良好な状態で維持するための基本的な対策と言えるでしょう。また、洗車機と手洗いを状況に応じて使い分けることが、冬季の合理的な車両管理に繋がります。
ぜひカーライフを目いっぱい楽しむためにも、冬はフロア下、足回りの洗浄を意識しながら洗車をしてみてくださいね。
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