EVや自動運転、先進運転支援技術の発達・普及に伴い、国内外の自動車市場が急速に進化を遂げる中、「止まる」「曲がる」「走る」といったタイヤ本来の性能は従来に増してよりシビアな品質が求められる時代が来ている。そんな中グッドイヤーが送り出した“ウルトラハイパフォーマンスタイヤ”『EAGLE F1 ASYMMETRIC 6(イーグル エフワン アシメトリック シックス)』は、まさにそのニーズに応えるフラッグシップモデルといえる存在だ。
今回は、日本グッドイヤー株式会社 EAGLE F1 販路開拓チーム・水島 彰也氏へのインタビューを交えながら、この『EAGLE F1 ASYMMETRIC6』の特長を掘り下げ、さらに雨天の一般道というシビアな環境での実走インプレッションもお届けする。
同社のスポーツブランドである『EAGLE F1』のロゴが誇らしげに刻まれたサイドウォール。比較的丸みが強くスムースなサイドウォールが特徴だが、これは空力性能を意識したものだとか。世界基準の“ウルトラハイパフォーマンス”

世界基準の“ウルトラハイパフォーマンス”
「Ready for anything=すべてをあきらめない」という力強いメッセージと共に誕生した『EAGLE F1 ASYMMETRIC 6』は、ヨーロッパを中心にグローバルで展開される「ウルトラハイパフォーマンスタイヤ」、通称「UHPタイヤ」だ。日本ではまだ耳なじみの薄いこのUHPというカテゴリーだが、欧州ではスポーツ性と快適性の両立を志向するドライバーたちにとってはすでに主流とも言える選択肢。とくに長距離を高速で移動することが多い欧州では、タイヤへの期待値が非常に高く、この『EAGLE F1 ASYMMETRIC6』はこうしたニーズに応えるべく開発された。スポーツ走行性能はもちろん、静粛性、しなやかな乗り味を高次元でバランス。また、燃費性能やウェット性能、更にはライフの長さも特に優れており、まさに「すべてをあきらめない」という設計思想を体現したモデルといえるだろう。

「止まる」性能にこそ真の価値がある、安全を第一に考えたタイヤ選び。
今回最も重視されたのは「止まる」性能とのこと。というのは、近年多くの車両で自動ブレーキなどの「先進運転支援システム」が搭載されており、従来にも増して「止まる」という基本性能が求められているという。

水島氏は今どきのタイヤで最も重要視されているという、「止まる」という基本性能についてこう語った。
「近年の先進運転支援システムは非常に優秀で、人間よりもはるかに素早く、大胆かつ繊細なブレーキングで事故を未然に回避・被害の低減をします。多くの一般的なドライバーはABS(=アンチロックブレーキシステム)が作動すると怖くなって無意識にブレーキを踏む力を緩めてしまうのですが、システムによる自動ブレーキの際は文字通りのフルブレーキングで制動する為、最短距離で停止する事が出来ます。しかし、いくら自動ブレーキのシステムが優秀でも地面と接しているタイヤの性能が悪ければいつまでも滑り続けてしまい、止まらないという事もあります。『EAGLE F1 ASYMMETRIC 6』ではこうした先進運転支援システムの実力を最大限に引き出すための相性の良さも意識して開発しているので、短い距離で確実・安全に停止できるのです。」

実際に『EAGLE F1 ASYMMETRIC6』は最も不利なタイヤサイズで行ったウェット性能の試験でも、ウェットブレーキ性能で174という非常に高い数値(※基準値は155)をマークし、安全性の高さを裏付けている。
「実際に緊急時の数十センチの制動距離の差が事故の明暗を分けるという事も多いと聞きます。」
また、ウルトラハイパフォーマンスタイヤの名の通りスポーツ走行はもちろん、静粛性や燃費性能、更にはタイヤライフ(耐摩耗性)も従来製品に比べ大幅に性能が上がっているという。
「FRのスポーツセダンからコンパクトカーまで、さまざまな車種に適合するタイヤサイズを用意しています。近年のハイパフォーマンスカーは以前に比べラグジュアリー性を持たせた車が非常に多いので、『EAGLE F1 ASYMMETRIC6』ではスポーツ走行の性能はもちろん、乗り心地、静粛性にもこだわっています。例えばアバルト595のようなホットハッチに装着すると、ホットハッチ特有のヤンチャさが消え、上質な乗り味が楽しめます。また、プリウスのようなファミリーカーに装着するとまるでワンランク上のクルマになったかのようなシャキッとした乗り味が楽しめます。」

「また、タイヤライフについても徹底的にこだわりました。近年のクルマ、特に電気自動車は従来のクルマに比べると重量も重く、しかもパワフルでタイヤにとってはかなり過酷な環境だと言えるでしょう。今回、『EAGLE F1 ASYMMETRIC6』では、こうした「重く・パワーのあるクルマの」性能を受け止める実力と、「低燃費・ロングライフ」の両立を実現しました。」
このような実力が評価され、グッドイヤーのタイヤはポルシェやBMW、メルセデスといった名立たるインポートメーカーの純正装着タイヤにも数多く採用されており、特にタイヤライフにこだわりの強いユーザーが多い欧米での評価・シェアが高いという。
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走行インプレッション:ウェットで真価を発揮、快適性と安全性に優れた優等生
取材時はあいにくの雨天‼しかし雨に強いと言われる『EAGLE F1 ASYMMETRIC 6』の性能を体感するには絶好のチャンス!
試乗車のGR86はタイヤを変更している以外はショック等含めて完全なフルノーマル。
取材時はあいにくの雨天‼しかし雨に強いと言われる『EAGLE F1 ASYMMETRIC 6』の性能を体感するには絶好のチャンス!
試乗車のGR86はタイヤを変更している以外はショック等含めて完全なフルノーマル。
取材日はあいにくの雨天となったが、『EAGLE F1 ASYMMETRIC6』にとってはその性能を体感する絶好の機会とも言えるだろう。試乗車はトヨタGR86でタイヤについては装着後約2800km走行したというコンディション。スポーツ性能を謳ったモデルだけに乗り心地やロードノイズが気になるところだが、市街地での低速域ではしっとりとした上質な乗り味を感じる事ができ、不快なノイズも抑えられ静粛性にも十分配慮されたタイヤだというのが走り出し数十メートルで感じられた。

比較的高速域の湾岸道路では雨天にも関わらずレーンチェンジやランプのコーナーリングでも走行ラインを正確にトレース。また、轍(わだち)にステアリングを取られる印象もなく、濡れた路面でもしっかりとグリップ。ステアリングを切った分だけ反応してくれるリニアな応答感を楽しめた。

そして最後は安全に配慮したクローズドな環境でウェット路面でのフルブレーキングテストを実施。ある程度速度の乗った状態からABSを効かせてもグリップを失う事は一切なく、濡れた路面でも全く不安を感じさせない制動力を実感できた。これはつまり自動ブレーキ搭載車での緊急制動でもしっかりと最短距離で停車できるという事を意味する。これからの時代に最も重要視される性能のひとつと言えよう。
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まとめ
本タイヤを試乗し面白いと感じたのは「もっと運転したい」と感じされられるタイヤだという事。一般にコンフォートタイヤにしても、スポーツタイヤにしても、ある程度の距離を運転すればそのタイヤの性能や性格というのは何となく理解できるのだが、この『EAGLE F1 ASYMMETRIC6』はスポーツ性能・快適性・ウェット性能などをハイレベルにバランスしているだけあって、交差点を曲がるたび、コーナーを一つ抜けるたび、レーンチェンジをして加速をするたびに別の側面を見せてくれた。まさに「Ready for anything=すべてをあきらめない」を体現したこの『EAGLE F1 ASYMMETRIC6』は、運転を愛し、安全を重んじるすべてのユーザーにおすすめできるタイヤと言えるだろう。
『EAGLE F1 ACYMMETRIC 6』のページはこちら
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撮影協力:APIT オートバックス 東雲店
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