2025.6.9

ブリヂストン、再生資源・再生可能資源比率65%以上の「ENLITEN」技術搭載タイヤを「2025 Bridgestone World Solar Challenge」に供給

2025年6月5日 発表
2025年の「2025 Bridgestone World Solar Challenge」向け「ENLITEN」技術搭載タイヤ

 ブリヂストンは6月5日、オーストラリアで8月24日〜31日に開催される世界最高峰のソーラーカーレース「2025 Bridgestone World Solar Challenge(以下、BWSC)」に、再生資源・再生可能資源比率を65%以上に向上させた「ENLITEN」技術搭載タイヤを、17か国・地域から参加する33チームへ供給すると発表した。

 BWSCは、2年に1度開催される、太陽光による限られた電力でオーストラリア大陸を約3000km縦断する過酷なレース。ブリヂストンでは、EV・電動車を含む次世代モビリティへのイノベーションと、未来を担うエンジニア育成を目的とする趣旨に共感し、2013年よりタイトルスポンサーを務めている。

世界最高峰のソーラーカーレース「2025 Bridgestone World Solar Challenge」が8月24日〜31日に開催される

 2025年のBWSCに、ブリヂストンが供給するタイヤは商品設計基盤技術「ENLITEN」技術に、パートナーとの共創により開発した新たな再生資源を初採用、ソーラーカーに求められる性能を確保しながら、サステナビリティをさらに進化させた。

ブリヂストンは2022年より、日本製鉄株式会社と山陽特殊製鋼株式会社の3社のビジョンに共通するサーキュラーエコノミーの実現に向けて使用済タイヤのリサイクルについて共創を進めてきた。今回のBWSC用タイヤには、ブリヂストンタイヤリサイクルセンター大阪で回収した使用済タイヤから山陽特殊製鋼の電炉を用いて製造した再生スチールを日本製鉄の設備にて圧延・熱処理した、タイヤの補強材であるビードワイヤーが初めて採用された
ブリヂストンは、サーキュラーエコノミーの実現に向けて、2022年から使用済タイヤのケミカルリサイクルの取り組みを進めている。2023年にBridgestone Innovation Park(東京都小平市)に実証機を導入し、ENEOS株式会社との共創を通じて、使用済タイヤの精密熱分解による再生カーボンブラック等を回収する技術開発を進めてきた。今回、ブリヂストンの実証機により得られた再生カーボンブラックを、BWSC向けに初採用した

 ENEOSとの共創による使用済タイヤの精密熱分解で得られた新たな再生カーボンブラック、日本製鉄や山陽特殊製鋼との共創による新たな再生スチールといった、ブリヂストンとして初めて、タイヤを原材料に「戻す」リサイクル技術の共創活動を通じて開発・生産された再生資源である再生カーボンブラックや再生スチールを採用。

 こうしたパートナーとの共創を通じた新たな再生資源に加えて、テイジン・アラミドの新素材であるサーキュラー原料を使用したアラミド「トワロン」なども採用し、サステナビリティへつながる環境性能を進化。同時に、BWSCの過酷な条件下でソーラーカーに求められる低転がり抵抗、耐摩耗性、軽量化や耐パンク性も確保し、ソーラーカーの性能を最大限に引き出すとともに、約3000kmの安心・安全な長距離走行への貢献を目指す。

 さらに、使用タイヤ本数の削減や低炭素な輸送手段の導入など、バリューチェーン全体においても、サーキュラーエコノミーの実現とカーボンニュートラル化に向けた取り組みを強化した。

 ブリヂストンでは、BWSCを「走る実験室」として、技術を磨くことで、今後のサステナブルなグローバルモータースポーツ活動の強化へつなげていくとともに、レースへの情熱をコアとして参加チームと共に極限へ挑戦することで、モビリティの未来に向けたイノベーションを加速させるとしている。

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出典: https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/2021095.html
この記事を書いた人 編集部:椿山和雄

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