2024.9.6

そろそろ交換時期?夏タイヤの交換タイミングって? 目安や寿命を解説!

  車を走らせていると必ず摩耗していく消耗品のひとつがタイヤです。タイヤ交換というと、走行中に釘などを踏んでパンクしてしまったタイヤを交換するといったイメージを抱く方が多いと思いますが、自動車を安全に運転する為には適切なタイヤ交換時期を知り、事故やトラブルが発生する前に事前に交換する事が重要と言えます。 タイヤの摩耗や劣化は、走行距離はもちろん、環境や使用期間により異なるため、「あまり乗っていないから」「まだまだ溝があるから」とタイヤ交換をせず運転していると、知らず知らずのうちにあなたの愛車のタイヤは危険な状態となっているかもしれません。この記事では、タイヤ交換の具体的なサインや要因について詳しく説明し、安全に走行するためのタイヤの交換時期を解説。本記事を参考に適切なタイミングでタイヤ交換を行い、安全性なドライブを楽しみましょう。

目次

  1. タイヤ交換のサインを理解する
  2. タイヤ寿命を延ばすメンテナンス方法
  3. まとめ

1.タイヤ交換のサインを理解する

 タイヤは車の安全運転の根幹を成す重要な部品です。そのため、定期的なメンテナンスと必要に応じた交換が欠かせません。まずは、タイヤの溝の深さ、ひび割れや損傷、異音や振動、製造年月日などのサインについて詳しく探っていきましょう。

タイヤの溝の深さ
 タイヤの摩耗状況を確認するためには、溝の深さを測定することが非常に重要です。タイヤの溝が浅くなると、グリップ力が低下し、雨天時のスリップやハイドロプレーニング現象の発生リスクが増加することが挙げられます。例えば、道路交通法ではタイヤの溝の深さが1.6mm以下になると「整備不良車両」となり、交換が必要という事になります。安全を考慮すると、4mm以下になった段階で交換をするとよいでしょう。また、タイヤのドレッド面にはスリップサインと呼ばれるインジケーターが備わっています。タイヤの横にある三角マークの延長線上にタイヤの溝を横断するようなインジケーターが現われた際にも交換の目安となります。
 タイヤの摩耗は走行中の安全性に直接影響を与えるため、そのチェックは非常に重要です。走行距離や環境に応じて、定期的にタイヤの溝の深さを確認し、適切なタイミングでタイヤ交換を行いましょう。

車の走行距離
 自動車の走行距離を基にして、タイヤ交換の時期を判断するのも一つの方法です。一般に新品のタイヤの溝は約8mmの深さがあり、5,000kmの走行で約1mm摩耗すると言われています。先ほど4mm以下になったらタイヤ交換の目安と紹介しましたが、20,000km走行した時点でタイヤの交換を検討すると良いでしょう。遅くとも30,000km走行した時点でタイヤ交換する事をおすすめします。

タイヤの使用年数と製造年月の確認
 「距離を乗っていないから」「まだまだ溝は十分にあるから」そんな理由でタイヤ交換をしないケースが多く見受けられますが、実はこれは非常に危険な行為です。実はタイヤは見た目に大きな変化はなくとも、時間の経過と共にタイヤの素材であるゴムがだんだんと劣化し、車を運転していなくとも少しずつ柔軟性を失っているのです。
 夏タイヤの場合、使用年数が4~5年経過したタイヤは交換時期を迎えると言われています。しかし、運転のスタイルや使用環境によってタイヤの状態は千差万別。タイヤの使用開始から約3年経過した時点で、一度ディーラーやカー用品店でプロの目で点検をしてもらう良いでしょう。
 また、タイヤには製造年月日が刻印されています。たとえば、タイヤ側面に「2219」と表示されている場合、これは2019年の22週目に製造されたことを意味します。この情報を基に使用期間を確認し、適切な時期に交換することが大切です。タイヤの製造年月日を定期的にチェックし、使用期限を超えないように注意しましょう。

タイヤのひび割れ、劣化、および損傷
 タイヤのひび割れ、劣化、および損傷はタイヤ交換を検討する重要なサインです。タイヤがひび割れたり劣化したりすると、グリップ力や操作性が低下し、最悪の場合バースト(=タイヤの破裂)などの重大な事故を引き起こす可能性があるからです。
 タイヤのひび割れが多数見受けられる状態はタイヤのゴムが劣化している事が考えられます。タイヤのゴムが劣化していると雨天時の性能が著しく低下する為、車両の制御が難しくなります。また、タイヤの側面に目に見える裂け目がある場合は、すぐにプロに相談して交換を検討するべきです。
 タイヤのひび割れや劣化を定期的にチェックすることで、安全性を確保し、適切な時期に交換することが重要です。

異音や振動の発生
 もし異音や振動が発生した場合は、今すぐタイヤ交換が必要なサインと言えます。異音や振動は、摩耗、損傷が原因で発生することがあります。これに気づかずに走行を続けると、車両全体の性能に影響を与え、安全性も損なわれます。走行中に異様な振動を感じた際、多くの場合はタイヤだけでなくホイールなどの関連部品も損傷している可能性が高いため、プロに点検を依頼し、問題が発見された場合は速やかにタイヤを交換することが大切です。

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2.タイヤ寿命を延ばすメンテナンス方法

 タイヤの寿命を最大限に延ばすためには、日常的な点検・メンテナンスが鍵となります。定期的に適切な点検やメンテナンスを行うことにより、タイヤのトラブルを起因とした事故のリスクを減らせます。またタイヤの寿命が延びることにより、結果としてコスト削減にもつながるでしょう。この項では、タイヤの点検・メンテナンス方法について解説します。

適切な空気圧の維持とチェック
 適切な空気圧を維持することは、タイヤの性能と安全性を保つために最も重要と言えます。空気圧が適切でないと、タイヤの摩耗が不均一になり、走行中の安定性が損なわれる可能性があります。また、燃費の悪化や走行中の事故のリスクも増加する事が考えられます。
 たとえば、空気圧が低すぎるとタイヤのサイドウォールが過度にたわみ、ショルダー部(=タイヤの両端)の摩耗が進行します。一方、空気圧が高すぎると接地面積が減少し、中央部分の摩耗が進行しやすくなります。このように空気圧が適切でない状態で走行を続けると、タイヤのみならず、車両の他の部分にも負担がかかりやすく、最悪の場合バースト(=破裂)する危険性もあります。
 定期的に空気圧をチェックし、適切な値に保つことで、タイヤ寿命を延ばし、安全な走行を確保しましょう。タイヤの空気圧の確認方法は車の取扱説明書に記載があるので参考にすると良いでしょう。多くの場合、運転席のドアを開けると適正空気圧が記載されたステッカーが貼りつけられているので参考にしましょう。
 もし、自分で行うのが難しいと感じた場合、多くのガソリンスタンドやカー用品店では空気圧をチェックしてもらえるので、そのような場所を利用するのも良いでしょう。適正な空気圧を維持し続けることで、タイヤの摩耗を均一にし、特に偏摩耗を防止することが可能になります。

偏摩耗を防ぐタイヤのローテーション
 タイヤのローテーションは、タイヤの偏摩耗を防ぎ、その寿命を延ばすために非常に重要です。タイヤは車両の使用状況や位置によって摩耗の仕方が異なるため、定期的に位置を交換することで、摩耗を均等にすることが可能となります。
 例えば、前輪駆動車(FF)では、前輪のタイヤがエンジンの重みや駆動力で早く摩耗しやすいため、前後のタイヤの位置を定期的に交換することで、全体の摩耗バランスを整えることができます。これは後輪駆動車(FR)や四輪駆動車(4WD)でも同様で、適切なタイヤローテーションは車両全体の走行性能を維持し、燃費向上や乗り心地の改善などのメリットもあります。
 タイヤローテーションを行う際には、各タイヤメーカーや車両の取扱説明書に記載されている推奨ローテーションパターンを確認し、それに従うことが重要です。また、実施する頻度も定期的に行うことが望ましく、最低でも年に1度はタイヤをローテーションすることを推奨しています。これはタイヤの寿命を延ばすだけでなく、突発的な故障や事故を未然に防ぐ効果もあります。
 ただし、近年は走行性能や燃費性能を向上する目的で前後で異なるサイズのタイヤを装着している車や、回転方向が定められたタイヤもある為、その場合は基本的にはローテーションが不要となります。ご自身の愛車が該当するかどうかはカー用品店やディーラーといったプロに確認してもらうことが大切です。

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3.まとめ

 タイヤは真っ黒なゴムでできている為、一見すると劣化が判別しにくく、タイヤ交換のタイミングを判断できない事もあるでしょう。本稿で紹介した通り、タイヤ交換のタイミングは溝の深さ、走行距離、使用年数、製造年月、外観の変化などから判断する事が可能です。また、定期的にタイヤのローテーションを行ったり、空気圧や外観の点検を日常的に行ったりすることで、タイヤの健康状態を確認・維持する事ができます。また、自分で判断するのが難しい場合はプロに確認を依頼するのが最も安全で安心でしょう。
 定期的にタイヤをチェックし、必要に応じて交換を実施する事で快適で安全なカーライフを送りたいものです。


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この記事を書いた人 MOBILA編集部

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