2024.8.27

愛車の燃費を最大限に引き上げる! 誰でもできるガソリン節約術

 愛車の燃費は、多くのドライバーにとって最も重要な関心のひとつと言えるでしょう。燃費を向上させることで、ガソリン代を節約できるだけでなく、環境負荷の軽減にもつながります。このガイドでは、燃費向上の具体的な方法を詳しく解説します。 近年、燃料価格の高騰に伴い、燃費の良し悪しが家計に大きな影響を与えるようになりました。また、環境問題への意識が高まる中、燃費効率の向上は持続可能な社会を実現するためにも重要な要素となっています。本稿では、自動車の燃費を向上させるための基礎的な知識とテクニックをご紹介します。

目次

  1. 知識と必須テクニック
  2. 燃費の計算方法と基本知識
  3. 日常メンテナンスによる燃費改善
  4. 運転技術による燃費向上
  5. 燃費向上のための車選び
  6. まとめ

知識と必須テクニック

 自動車の燃費を最大限に引き上げるためには、基本的な知識と日常的に実践できる必須テクニックが重要です。ここでは燃費改善のための基礎知識と、すぐに取り入れられる実用的なテクニックについて解説します。

燃費の基礎と重要性
 燃費は、車の効率性を示す重要な指標です。燃費が良ければ、同じ燃料量でより多くの距離を走行でき、経済面はもちろん、環境への負荷を減らすことができます。例えば、燃費が15km/Lの車と10km/Lの車では、同じ燃料タンクで走行できる距離に大きな差が生まれ、結果としてガソリン代の節約になります。また、燃料代の削減と環境負荷の軽減に加えて、燃費の良い車は給油の頻度が減少するため、ガソリンスタンドに立ち寄る手間や時間を省くことができるのも見逃せないポイントのひとつでしょう。
 車本来が持つ最大限の燃費性能を引き出すためには、運転技術や日常のメンテナンスも重要です。エコドライブといった運転技法はもちろんのこと、タイヤの空気圧調整や適切なオイル管理などを実践することで、さらに車本来が持つ燃費性能に近づけることが可能です。これらの取り組みが組み合わせ、燃費効率を改善し、環境はもちろん、お財布にもやさしいカーライフを実現しましょう。

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燃費の計算方法と基本知識

 燃費の計算方法を正確に知ることは、車の燃費を向上させるために重要です。燃費を計算することで、自分の運転スタイルやメンテナンス方法がどれほど効果的かを把握し、適切な対策を講じることができます。一般的に燃費は「走行距離÷消費燃料量」で計算されます。例えば、100km走行して5Lのガソリンを消費した場合、燃費は20km/Lです。この「消費燃料」は満タン法と呼ばれる方法で算出するのが最も簡単で、ガソリンスタンドで給油した際にレシートなどで簡単に把握が可能です。満タン法の算出方法は以下の通りです。

ステップ1:ガソリンを満タンにする
 まず、ガソリンスタンドで燃料を満タンにします。この際給油機の自動ストップ機能(油面が一定に達したら自動で給油を停止する機能)が作動したら、そこで給油を終了します。
 この自動ストップ機能は機種や給油所・給油機ごとによって異なる場合があるので、あくまでも満タン法で算出する燃費は参考値と考えるのが良いでしょう。より高い精度で算出したい方は、毎回同じガソリンスタンド・同じ給油機を使用する事をお勧めします、

ステップ2:トリップメーターをリセットする
 満タン給油が終了したら、トリップメーターをリセットします。この工程を忘れると満タン法による燃費の算出ができなくなるので注意しましょう。
 ちなみに、「トリップメーター」とは、走行距離を計測するリセット可能な積算計のことで、たいていの場合、スピードメーターの近くにあります。スピードメーターから出ているノブを押すタイプや、輸入車などの場合はステアリングコラムに設置されている場合もあるので、詳しくは愛車の取扱説明書を参考にすると良いでしょう。

ステップ3:次のガソリン給油まで走行する
 ガソリンを入れたら、普段通りに走行します。一般に高速道路などを多用する方は燃費効率が上がる為、良い燃費となり、チョイ乗りや市街地での渋滞が多い方は燃費効率が下がり、燃費が悪くなる傾向にあります。いつものように燃料が減ってきたら次のステップの容量でガソリンスタンドで給油をします。

ステップ4:再度ガソリンを満タンにする
 ガソリンを再び満タンにします。この際、給油量をチェックする事をお忘れなく。大抵の場合、給油後に貰えるレシートに記載があるので忘れずに貰うようにしましょう。

ステップ5:実燃費を計算する 満タン給油が完了した後、車に戻ったら燃費を計算します。その際使用する計算式は「走行距離÷消費燃料量」です。走行距離はすなわちトリップメーターの走行距離。消費燃料量は先程貰ったレシートに記載のある給油量となります。
 例えば、トリップメーターの走行距離が800kmを示していて、給油量が40Lだった場合、800÷40=20で、燃費は20km/Lという事になります。この計算は電卓を用いても構いませんが、燃費を計測する専用の無料スマホアプリなどもあるのでそれらを使用すると簡単に行うことができるでしょう。また最近の車には燃費計が純正で搭載されている車種も増えているので、その数値を参考にすると計算が不要となります。燃費計の操作方法等は愛車の取扱説明書などをご確認ください。
 このように、燃費を定期的に計測することで、燃費改善の効果を確認しやすくなり、また愛車の異変にいち早く気づく事ができるようになります。

燃費に影響を与える主要因
 燃費に影響を与える主要因には、運転スタイル、車のメンテナンス状況、環境条件などが含まれます。例えば、急加速や急ブレーキは燃料を大量に消費し、適切なメンテナンスが行われていない車はエンジン効率が悪化することがあります。また、車のメンテナンス状況といった観点では、定期的なオイル交換やタイヤの空気圧チェックが行われていない場合、エンジンやタイヤが本来の性能を発揮せず、結果的に燃費が悪化します。環境条件といった観点では、山道や渋滞した都市部の運転、近くのコンビニへのチョイ乗りなどは平坦な道路を高速巡行した場合に比べ、燃料消費が多くなります。
 このような運転スタイル、メンテナンス状況、環境条件の3つの主要因を管理・改善することで、燃費を最大限に引き上げることが可能です。

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日常メンテナンスによる燃費改善

 日常のメンテナンスを実施することで、自動車の燃費を効果的に改善することができます。車のコンディションが良好であれば、エンジンやタイヤなどの車本来のパフォーマンスが最大限に引き出され、燃費効率の向上が見込めるでしょう。

タイヤの空気圧と適正値
 タイヤの空気圧を適正に保つことは、燃費向上に大いに役立ちます。また、適切でない空気圧のまま走行するのは燃費の低下を招くばかりか、バーストなどの事故の危険性も増えるので、必ず定期的な点検を実施するように心がけましょう。
 適正な空気圧が維持されているタイヤは、路面との摩擦が最適化され、転がり抵抗が減少します。その結果、エンジンの負荷が軽減され、燃費の向上が見込めます。
 適正空気圧は愛車のドアを開けた際に見える車体に貼ってあるステッカーや取扱説明書で確認できます。空気圧のチェックは給油時や定期的なメンテナンスの際に実施することが推奨されます。特に季節の変わり目には、気温の変化により空気圧が変動するため、より注意が必要です。また、タイヤの摩耗度もチェックし、必要に応じて早めの交換を心がけましょう。

適切なエンジンオイル管理
 適切なオイル管理はエンジン自体の効率向上に直結します。例えば、定期的なオイル交換を怠ると汚れや不純物がエンジン内部に蓄積されます。これによりエンジン内部の摩擦が増加し、エンジンが過剰な力を必要とします。この状態での運転は、エンジンの負荷を増大させ燃費を著しく悪化させる結果となります。エンジン内部の磨耗も進むため、長期的にはエンジンの寿命も短くなってしまいます。
 適切なオイル管理を行うことにより、エンジン効率を高めて燃費の向上を目指しましょう。具体的には、推奨されるオイル交換時期を守り、適切なオイルフィルター(オイルエレメント)の交換も忘れずに行うことが大切です。またエンジンオイルの種類や粘土も燃費に影響を与えるため、車種に適したオイルを選ぶことも重要です。
 このように、オイルの管理を意識的に行うことで燃費を向上させ、エネルギーの無駄を最小限に抑えることが可能です。

荷物の最適化
 車内外の荷物を最適化することで燃費を向上させることができます。例えばゴルフの予定が無いのに思いゴルフバッグをトランクに積んでいると車の総重量が増え、それに伴い燃費が悪くなります。また、ルーフボックスやルーフキャリアなどの車外の荷物は空気抵抗を増大させ、より多くの燃料を消費する原因となります。これらの要因を取り除くだけで燃費の改善が可能です。不必要な荷物を取り除き、車内外の整理整頓を行いましょう。

運転技術による燃費向上

 運転技術は燃費を最大限に引き上げるための重要な要素です。適切なドライビングテクニックを実践することで燃費を改善することができるでしょう。

エコドライブの基本
 近年のガソリン価格の高騰に伴い、エコドライブの重要性はますます高まっています。エコドライブを実践することで、燃料消費を抑えるだけでなく、車の維持費や環境負担も減少させることができます。

加速と減速のコツ
 急加速や急減速は燃費を悪化させる主な原因の一つであり、エンジンへの負荷が大きくなるからです。そのため、スムーズな加速と穏やかな減速を心掛けることが重要です。しかし、ここで言うスムーズな加速と穏やかな原則とは「すべての動作をゆっくりと行う」といった意味ではありません。
 加速の際に一気にペダルを踏みこみ、急加速すると燃費が悪いというのは誰にでも想像がつく事でしょう。逆にゆっくりと、じんわりと加速した場合は燃費が向上するかというと、一概にそうとは言えないケースもあるようです。
 たとえば、目標とする速度に達する時間が長ければ長いほど、エンジンは加速を続けるという事になります。エンジンにとって、最も燃費がいい(=抵抗が少ない)のは一定の速度で巡行している状態を指します。
 つまり、60km/hで巡行したい場合、ゆっくりゆっくり加速するのではなく、目標速度までしっかりと加速し、目標速度になったらアクセルを一度緩め、再び軽く踏み込むことでその速度を維持する事ができます。時にメリハリのある運転が燃費向上には必要と言えるのです。

ルート計画
 また、ルートの計画も高燃費の実現には欠かせない要素のひとつでしょう。前項でも述べたように、車の速度を一定に保つと、エンジンの負荷が減り、燃料消費が安定します。つまり渋滞や高低差を避けた効率的なルートを計画することで、無駄な走行を減らし、トータルの燃料消費を抑えることができます。カーナビやスマートフォンアプリを活用すると、リアルタイムで交通情報を取得し、最適なルートを選ぶことができます。燃費を改善するために、常に速度を一定に保ち、効率的なルート計画を行うことが重要です。

燃費向上のための車選び

 燃費向上を考える際、どの車を選ぶかは非常に重要な要素です。車の種類や特性によって燃費の効率が大きく変わるため、情報をしっかりと把握することが欠かせません。燃費効率の高い車を選ぶためには、ハイブリッド車や電気自動車など、エコな選択肢を検討することはもちろん、各車種の燃費性能を比較検討することが重要です。

ハイブリッド車と電気自動車の選定
 燃費がよい車と言って、まず思い浮かぶのはハイブリッド車や電気自動車でしょう。ハイブリッド車と電気自動車は、従来の内燃機関車よりも燃料効率が高く、環境への負荷が少ない選択のひとつと言えます。トヨタ・プリウスなどのハイブリッド車はガソリン車に比べて燃料消費量が少なく、特に市街地走行時にはその差が顕著です。プリウスのようなハイブリッド車は、停止時にエンジンを停止させるアイドリングストップ機能はもちろん、ブレーキ時に発生するエネルギーを回収してバッテリーに充電する回生ブレーキシステムが搭載されており、燃費性能を大幅に向上させることができます。また近年では三菱アウトランダーPHEVのような、自宅で追加充電ができるプラグインハイブリッド(PHV)車も注目を集めています。
 一方、テスラ・モデル3や三菱i-MiEVといった電気自動車は完全に電力で走行するためガソリン代が不要です。また、運転中に排出するCO2がゼロであり、環境に優しい選択肢と言えます。電気自動車は、日常的に使用する場合でも充電ステーションが増えているため、利便性も向上してきています。さらに、電気自動車はエンジンオイルやトランスミッションオイル、デファレンシャルオイルといった油脂類の交換が不要な為。メンテナンスコストが低いのも魅力のひとつでしょう。
 ハイブリッド車や電気自動車といった選択は初期投資が高めですが、長期的に見れば燃料代やメンテナンス費用の削減につながります。また、環境負荷を軽減することで、企業や自治体からの補助金や税制優遇を受けられる可能性もあります。これらのメリットを考慮に入れると、ハイブリッド車や電気自動車は燃費向上のための合理的な選択のひとつと言えるでしょう。

まとめ

 燃費改善には、持続的かつ計画的なアプローチが必要です。単に一度の対策ではなく、日々の習慣として取り組むことが求められます。例えば、タイヤの空気圧を定期的にチェックし、適正値を保つことは特に効果的です。適切な空気圧を維持することで、燃費が大幅に向上する上、タイヤの寿命も延び、結果的に費用削減にもつながります。 また、定期的なエンジンオイルの交換も欠かせません。エンジンオイルはエンジン内部の摩擦を減少させ、効率的なエネルギー変換をサポートします。古くなったオイルを使い続けるとエンジンが劣化し、燃費も悪化するため、指定された交換周期を守ることが重要です。 さらに、ルートの計画を最適化することで、信号待ちや渋滞を避け、走行中の無駄なアイドリングを減らすことができます。これにより、ガソリンの消費量を抑えつつスムーズな運転が可能となります。エコドライブを意識し、急な加速や減速を控える運転方法を実践することも、燃費向上に寄与します。
 持続的な燃費改善は、明確な計画と戦略を立てて継続することが重要です。一時的な対策だけでは効果が限定的であり、持続可能な燃費改善を実現するためには、日々の細かな取り組みと計画を立て、それを継続して実行することが必要です。


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この記事を書いた人 MOBILA編集部

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