2023.5.8

ビギナーもクロウトも変わらない!【ハウツー】洗車の鉄則〜ツウのやり方〜

洗車との向き合い方と心構えは、ラクに自然に合理作業…がキー

 洗車というと身構える向きもあるかもしれないけれど、自宅内の掃除や、もっと言えば歯磨きなどと基本は一緒。表面に付着した汚れを水ですすぎ、落ちきらない汚れを浮かせて流し、すすぎ水を取り除くまでがファーストステップ。水を媒体として、車体そのものに負担を掛けることなく、汚れだけを落とすことがよい“洗”車の大前提だ。
 コツは、落とした汚れをどう処理するかにある。取り除いた汚れが、また別の場所に付着したのでは意味がない。そのためにも、汚れの行方がどうなるかに注目すると、合理的な作業もできる。乾いた汚れは風に舞い、水は重力の法則に逆らえず、洗車用具には取り除いた汚れそのものも付着しがち。この前提を念頭に置くことで、作業順も、そして効率的な進め方も見えてくるハズ。
 セカンドステップは、ワックスやコーティングといった被膜塗布。ここも車体に負担を掛けず、自然な理で作業するのが一番。被膜を塗り広げる動作からして、直線的にスムーズに作業するのが基本だ。こうすることで、被膜は均等に広がりやすいし、なにより作業そのものもラクになる。
 突き詰めれば、その理は合理性。当たり前のことを当たり前にやればいい。難しく考える必要はあまりない。


基本的な洗い順は上から下に泥はねがある場合はそちらを最優先。ただ足元の汚れが酷い場合は、その汚れが他に散らないように、真っ先に洗っておくと効率的だ。

 



保護被膜はまんべんなく薄く塗り広げるのが肝要。意図的に薄く広く塗り広げることで、被膜表面はより平らになり、仕上げ拭きの手間も減る。

 


質感をあげる作業上のツボ。NGを避ければ自ずとやることは決まる

 ここからはさらに一歩進んで、より具体的に作業内容を見て行こう。
「洗車をすると雨が降る」とは古くから言われるあるある話ながら、自虐的に捉えることなく、むしろ前向きに考えるといいことも多い。雨の日はどうしたったクルマも汚れがちだが、あらかじめ洗車しておけばダメージも少なく、そして汚れも落ちやすい。雨の日が近いからこそ、むしろ洗車しておくのがツウのやり方とも言える。
 雨が降れば洗車代わりになるかもなんて話は迷信に近い。雨そのものが汚れを多く含むためだ。降雨後の実際はむしろ逆。表面の汚れが雨で伸び広がるのはもちろんのこと、大気中の汚れもが次から次に車体に降り注ぐことで、雨水の流路に沿って汚れはさらに蓄積する。
 洗車後の効果と言えばブリブリの撥水をイメージする人も多いだろう。けれど水滴の滞留はリスクを伴うことも承知しておきたい。降雨直後の晴天ともなると、強い日差しがボディにかざされ、水滴がレンズ効果を生んでボディに強い刺激を与える場合もある。より上等な撥水は、滞留することなく滑落するもの。視覚効果だけでなく、そのアクションにまで目を向けたい。
 こう列挙していくと、小難しく見えるかもしれない。そして、毎回全てを遵守するのはなかなかに大変でもある。けれど、原理原則は至ってシンプル。大筋でそのツボを押さえておけば、そうそう間違いは起こり得ない。


シャンプー掛けが終わった直後こそが洗車のヤマ場。いわばすっぴんの無防備状態で放置してしまうと、水滴が乾いてシミが残り、そして水滴を通して日焼けも招きがち。

 



日中での作業では干上がることで拭き取り困難な場合もあるし、昨今の用品が持つ利点のひとつである伸びの良さも失われがち。素早く塗り広げるスピード感がより求められる。

 


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この記事を書いた人 カーグッズマガジン編集部

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