洗車との向き合い方と心構えは、ラクに自然に合理作業…がキー
洗車というと身構える向きもあるかもしれないけれど、自宅内の掃除や、もっと言えば歯磨きなどと基本は一緒。表面に付着した汚れを水ですすぎ、落ちきらない汚れを浮かせて流し、すすぎ水を取り除くまでがファーストステップ。水を媒体として、車体そのものに負担を掛けることなく、汚れだけを落とすことがよい“洗”車の大前提だ。
コツは、落とした汚れをどう処理するかにある。取り除いた汚れが、また別の場所に付着したのでは意味がない。そのためにも、汚れの行方がどうなるかに注目すると、合理的な作業もできる。乾いた汚れは風に舞い、水は重力の法則に逆らえず、洗車用具には取り除いた汚れそのものも付着しがち。この前提を念頭に置くことで、作業順も、そして効率的な進め方も見えてくるハズ。
セカンドステップは、ワックスやコーティングといった被膜塗布。ここも車体に負担を掛けず、自然な理で作業するのが一番。被膜を塗り広げる動作からして、直線的にスムーズに作業するのが基本だ。こうすることで、被膜は均等に広がりやすいし、なにより作業そのものもラクになる。
突き詰めれば、その理は合理性。当たり前のことを当たり前にやればいい。難しく考える必要はあまりない。


質感をあげる作業上のツボ。NGを避ければ自ずとやることは決まる
ここからはさらに一歩進んで、より具体的に作業内容を見て行こう。
「洗車をすると雨が降る」とは古くから言われるあるある話ながら、自虐的に捉えることなく、むしろ前向きに考えるといいことも多い。雨の日はどうしたったクルマも汚れがちだが、あらかじめ洗車しておけばダメージも少なく、そして汚れも落ちやすい。雨の日が近いからこそ、むしろ洗車しておくのがツウのやり方とも言える。
雨が降れば洗車代わりになるかもなんて話は迷信に近い。雨そのものが汚れを多く含むためだ。降雨後の実際はむしろ逆。表面の汚れが雨で伸び広がるのはもちろんのこと、大気中の汚れもが次から次に車体に降り注ぐことで、雨水の流路に沿って汚れはさらに蓄積する。
洗車後の効果と言えばブリブリの撥水をイメージする人も多いだろう。けれど水滴の滞留はリスクを伴うことも承知しておきたい。降雨直後の晴天ともなると、強い日差しがボディにかざされ、水滴がレンズ効果を生んでボディに強い刺激を与える場合もある。より上等な撥水は、滞留することなく滑落するもの。視覚効果だけでなく、そのアクションにまで目を向けたい。
こう列挙していくと、小難しく見えるかもしれない。そして、毎回全てを遵守するのはなかなかに大変でもある。けれど、原理原則は至ってシンプル。大筋でそのツボを押さえておけば、そうそう間違いは起こり得ない。


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