カーエアコン、ゲリラ豪雨、冠水……晩夏の対処法
気象庁によると、原則として「ある場所(地域)・ある時期(週、月、季節)において30年に1回以下で発生する現象」を異常気象と定義している。しかし、毎年のように耳にする「異常気象」という言葉。振り返れば、2006年の晩夏、局地的に短時間で降る激しい豪雨のことをマスコミが「ゲリラ豪雨」と呼ぶようになり、2008年にはゲリラ豪雨が新語・流行語大賞でトップテンに入賞した。
台風やゲリラ豪雨のような集中して降る強い雨は、クルマの運転にも大きな影響を及ぼす。。雨による視界や路面状況の悪化だけでなく、風が引き起こす進路の乱れ、冠水時には安全を確保できる判断も大切だ。
また、身近なところで、晩夏はエアコンのケアにも注力したい。夏が過ぎたとしても、エアコンを使う機会は多い。雨が降り始めたときなどはガラスがくもりやすくなるが、その原因は湿度の上昇、外気と車内の温度差だ。エアコンのデフロスター機能(窓への送風)を使うことで、強制的にくもりを取り除くことができる。晩夏にありがちな「エアコンのカビ臭さ」も、エアコンケアで解消することが可能だ。
長く快適に使うために。誰でもできるカーエアコンケア
家庭用のエアコンでも定期的なフィルター掃除が必要なように、カーエアコンでもメンテナンスは必要になる。家庭用エアコンのフィルターはホコリが詰まる程度なので、掃除機で吸う程度でも問題ない。しかし、カーエアコンのフィルターは走行中の外気が通過するため、過酷な状況下にある。詰まった虫や葉っぱなどは掃除機でも吸い取れるが、排気ガスなどによる汚れはフィルターに入り込んでしまっていて除去するのは難しい。効率、効果を考えても、フィルター交換がオススメだ。
それ以外にも、ちょっとしたことでカーエアコンを長く快適に使える方法がある。まず大事なのは、エアコンが必要のない時期でもときどき使うこと。冬はヒーターのみを使用する人も多いと思うが、定期的に動かさないと壊れやすくなるのは機械の鉄則。それを予防するためにも、冬の間も月に数回はエアコンをオンにして各部を作動させるのがいい。
つぎはカーエアコンのニオイ対策。ニオイの元はカビであることが多く、カビを発生させないことで予防になる。カビは配管やコンデンサに付着した結露(水滴)が原因となって発生することが多いので、エアコン使用後に水滴を残した状態にするのがもっともよくない。そこでクルマを車庫に入れる前には、しばらくエアコンをオフで送風。内部を乾燥させることでカビの発生を防ぐことができるのだ。

助かるために知っておきたい。豪雨・冠水に遭遇したときの心構え
近年、ゲリラ豪雨や台風が増えているような気がしている人も少なくないだろう。狭い範囲に集中する強い雨によって排水溝から水があふれ、路面が冠水するケースも増えていると言われている。
運転中にそのような状況に遭遇したら、まず最初にやるべきなのは車速を落とすこと。激しい雨は視界を悪くするし、タイヤと路面のグリップも低下して滑りやすくなる。運転していて怖いと感じるほど視界が狭まったら「無理に走らない」という判断も選択に入れたい。安全な場所を見つけてクルマを停めよう。
冠水での立ち往生は、「まだいける」という判断ミスと「水深の読み違い」が最大の要因。前提としてまず、クルマは水の中を走れるようには作られていない。走れる水深の目安はクルマのマフラー。水がエンジンの中に入ると、ウォーターハンマーという現象が起きて廃車になる可能性が高い。冠水が厄介なのは、水の深さが分かりにくいこと。水位が深く、ドアまで水没するような状況だと、水圧の影響でドアが開かなくなることもある。実際、冠水による車両水没事故で命を落としてしまうニュースも目にする。パニックにならないことも重要で、もしものために『緊急脱出用ハンマー』も車内に備えておきたい。
