高い評価の車種なら重大事故を防げる!
自動車アセスメントとは、実車を使って衝突試験等を行った安全性能評価のこと。そもそもの始まりは1979年にアメリカが実施し、それが世界各地に広がった。日本では1995年、当時の運輸省が主導して自動車事故対策センター『JNCAP』によってフルラップ全面衝突試験とブレーキ性能試験を開始。現在は国土交通省と自動車事故対策機構『NASVA』が事業を引き継いでいる。
自動車アセスメントの目的は、ユーザーが安全な自動車やチャイルドシートを選べる環境を整えることと、メーカーに安全な自動車等の開発を促進することにある。自動車メーカーではない第三者機関が評価・公表することで、自動車メーカーは安全性能を進化させ、そのランク付けによる評価はユーザーが自動車を購入する際の指標のひとつとなっている。
年度によって安全性能の評価方法や配点は異なるが、2020年度からは、衝突時の乗員保護や歩行者保護を評価するための「衝突安全性能評価」と、衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱抑制といった先進装備に関する「予防安全性能評価」を総合的に評価してランク付けしている。2022年度の配点では、衝突安全性能は100点満点、予防安全性能は91点満点となり、それぞれA〜Eランクで評価され、その合計得点が158.23点以上だと星5つ、125.21点以上で星4つ、94.35点以上で星3つ、63.89点以上で星2つ、63.89点未満は星1つとなる。ここで最高評価の「ファイブスター賞」を獲得した車種は、安心・安全ということだ。
安全性の向上へ。現実の状況に合わせて試験内容も進化
自動車アセスメントの試験内容も、年度を追うごとに見直されている。たとえば2018年度からは、予防安全性能評価に「ペダル踏み間違い時加速抑制」や「対歩行者衝突被害軽減ブレーキ(夜間街灯あり)」の項目が追加されている。この変更は、昨今取りざたされている高齢運転者の急発進・急加速での事故や、夜間に多い歩行者事故に対する事故抑止を目指した結果だ。
また、2022年度からは「衝突被害軽減ブレーキ対自転車性能試験」が導入された。内閣府の2021年度交通安全白書によると、交通事故による死亡者数のうち、自転車乗車中によるものが全体の13.7%を占めたという。同資料では歩行中の割合が35.7%とあり、それに比べると少ないが、約14%という数字は渇して少ないものではない。このように、その時々の事故状況に応じて項目が追加されることで、新たに技術が進歩し安全性をさらに高めることにつながるというわけだ。
写真は前方歩行者との衝突に対する(昼間)「被害軽減ブレーキ試験」。2018年度からは夜間街灯ありを、2022年からは「衝突被害軽減ブレーキ対自転車性能試験」を試験に追加するなど、常に事故抑止を目指し続けている。
より快適かつ安全なチャイルドシートへ。子どもを守るチャイルドシートアセスメント
自動車アセスメントの一貫として、チャイルドシートも安全性能評価が行われている。現在の試験内容は「前面衝突試験」と「使用性評価試験」だ。
前面衝突試験では、「衝突によるチャイルドシート取付部等の破損」「衝突によって胸部に生じる力」「衝突時のチャイルドシートのシートバックの傾き」「衝突時のチャイルドシート上端面から頭部のはみ出し」「衝突時に生じたその他の事象」の合計で「優」「良」「普」「推奨せず」と評価される(乳児用と幼児用で評価内容は異なる)。
使用性評価試験は、「取扱説明書等」「本体表示」「本体の構造」「車への装着性」「着座のさせやすさ」といった5項目が設定され、それぞれ5段階評価のレーダーチャートで示される。
チャイルドシートを購入する際、まず確認したいのは前面衝突試験の評価だ。項目ごとの試験評価まで確認し、致命傷になりやすい頭部に関する項目に「×」が記されている場合は購入を控えるようにしたい。使用性評価試験では、しっかりと正確に取り付けられるように、「取扱説明書等」「本体表示」の点数が高いものを優先的に選ぶと安心感は高まる。
前面衝突試験では速度変化が55km/h時の衝撃における、チャイルドシートの取付部等の破損状況、ダミーの頭部や胸部の合成加速度、ダミー頭部の前方への移動量、ダミーの拘束状態の加害性などの項目を計測。
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