リンレイ『ウルトラハード W コーティング W-35(実勢価格:1680円前後/税込)』
期待の高さゆえに突入する未知なる領域へのチャレンジ

リンレイは洗車用ケミカルだけでなく、家庭用のワックスやクリーナーも幅広く手掛けているメーカーだ。そのリンレイの大人気ブランドが『ウルトラハード』シリーズになる。
「落ちない汚れの最終手段」をキャッチコピーにするこのシリーズは、家庭用から派生してクルマ用にもラインアップを広げてきた。強力な汚れ落とし効果を発揮するクリーナー類が成功を収めると、その後はタイヤ用やヘッドライトカバー用のコーティング剤も登場させメガヒットを連発。
ここで紹介するこの『Wコーティング』はその人気シリーズの最新作。その登場を多くのファンが待ち焦がれていたボディ用コーディング剤は、ガラスやホイールにも施工可能なマルチコーティング剤となる。

窓もボディもウルトラハードコート
ウルトラハードの名を冠しているからには、半端な性能では許されない。まず注目すべきは高い撥水力と深みのあるツヤだ。これは高撥水成分とディープグロスポリマーのダブル効果によるもので、その撥水効果はボディなら4ヵ月、ガラスでも2ヵ月持続するという。
さらに、新開発のダブル密着ポリマーが採用されていて、塗り重ねることでコーティングの被膜がより強靭になる効果も期待できる。撥水力、ツヤ、光沢感がその都度に高まり、作業の楽しさもまた増すわけだ。

=選出理由=
期待に応えるメガヒット追加作
扱いやすく、作業場所も選ばず、タフなマルチ性能
以上のようなコーティング剤としての基本性能に加えて、扱いやすさも魅力だ。施工は洗車後の濡れたボディにスプレーして拭くだけでOK。ノーコンパウンドで全色に対応し、コーティング施工車にも使用可能。ボディのみならずガラス、ホイール、ヘッドライト、ミラー、未塗装樹脂、バイザーなど、あらゆる外装部分に使えるのも嬉しい。
結果として、洗車機に連続で5回かけても耐えるというタフなコーティング被膜を実現。待望の人気シリーズ最新作だけに、多くの期待をさらに上回る段違いの実力を備えるに至っている。

生みの親に聞く、製品リリースの舞台裏
クリーナーのリリースから始まったリンレイの大ヒット作であるウルトラハードシリーズにして、意外にもボディコーティングはこれが初めてだった。ファンならずとも、その期待度ははなから高かった。
「ウルトラハードっていうのは家庭用発信のブランドになってるので、そこの期待は裏切れません。お客様が、満足感だとか達成感を得られるようなものじゃないと出しちゃダメなんです。
我々も、ワックスやコーティングを作ってるメーカーなので、スプレータイプのコーティング剤って普通に作れちゃうんですよ。ただ、それを今さらウルトラハードで出したところでやっぱり期待を裏切っちゃう。
ごく普通のクルマに詳しくないユーザーさんから見ると、クルマのコーティングというと、ボディもガラスも全部使えるんでしょうとなると思うんです。であれば、両面にそれなりの効果効能を出せる物をウルトラハードで出せれば、支持してくれた方にまた買っていただけるっと思ったんです(久保田氏)」。
窓もボディも、その両面で使える製品はすでにある。ただ、リンレイの自社基準は別となる。自ずから課したハードルはより高いものになった。
「正直我々が持ってるその延長線上じゃどうしようもないなというところで。他分野のコーティングを扱っているメンバーに聞いたり、文献からも色々調べまして、ちょっとまあ異色ではあるんですけど、クルマ用ではあまり使われないような原料をちょっと引っ張り出してきまして、どうにかクリアできた次第です(迫氏)」。
洗車用品の老舗であるリンレイは、業務用も家庭用も手掛ける総合ケミカルメーカーでもある
「迫は、新卒から入って10年間は業務用の研究をやってきました。続く7、8年間は家庭用の研究。いろんなところのセンスを彼は持ってるので、ある程度柔軟に考えられたというのはありますよね(久保田氏)」。
ひと筋縄ではいかない高度なケミカル品は、完成直前でも波乱を迎える。
「やれやれ試作が出来上がったなと思って、今度は工場で最終的な性能を確認するんですけれど、工場で試作すると特別な密着力が再現できないんです。これは困ったなと(迫氏)」。
同じ水道水でも性能が左右されるほど繊細な調合品でもあった。
「研究室での試作品では、何も問題無かったんですけど工場で試作すると、密着力が落ちると迫から聞いて…。こんなこと、今まで1回もなかったんですけどね(久保田氏)」。
大ヒットの裏には、未知の領域に踏み込んだがゆえの労苦がある。それを乗り越えてのブレークスルーでもあった。

(左)
株式会社リンレイ
コンシューマー製品事業部 兼
マーケティング部 課長
久保田 陽 氏
(右)
株式会社リンレイ
技術研究所
チーフリーダー
迫 健太郎 氏
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